■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

拍手ありがとうございます！

◇「少年激覇ダンアンケート」で小説・シリアス・ダンの相手は勇貴、の票が多かったので、書いてみました。
というわけで最終決戦後でバッドエンドっぽい白赤。漫画版最終回の台詞もひとつだけ入ってます。



荒れ狂う力に翻弄される小さな体を、抱きとめる。
光を失った瞳からとめどなく零れる涙は、まるで自分を責めているかのようで。

『いつも君には驚かされる。自分の身を差し出すことに迷いがない』

華実の想いをこれ以上穢されぬようにと、マザーコアの光主になることを宣言したダン。
常ならばまっすぐに自分を見つめてくるその瞳が、どこかかなしげに揺れていたことに。
気づいて、いたのに。

大丈夫、と彼は笑った。
マザーコアの光主となった今、赤のシンボルを使って華実を転召しても、死なないからと。
異界王の力を得た自分は、お前達とは一緒にいられないけど。

ずっとずっと、そのしあわせをまもるから。

『ばいばい』

それは、まるで嵐のような。
君は何故人のために戦えるんだ、自分のためではなく。
違う、そうじゃない。
何故、君は。
自分の希を口にすることさえ、ゆるされない？

『…勇貴ッ！？よせ…！』

掲げられた赤のシンボルに無理やり白のシンボルを重ね合わせれば。
ふたつは無残に砕け散り、そして。
融合、した。

『逃がさないよ、激突王』
『う…ァ、ッ――！！』

捻じ曲げられた力は、行き場を失い、暴走する。
ダンの正気を、華実の魂をものみこんで。
どちらかひとつなど、選べなかった愚かな王の、これが末路。

荒れ狂う力に翻弄される小さな体を、抱きとめる。
光を失った瞳からとめどなく零れる涙は、まるで自分を責めているかのようで。

それでも、その輝きは、差し伸べられる、手は。
泣きたくなるほどに、どこまでも優しかった。


◇ひとつのシンボルを使うことで提供者が死ぬならダンと兄様のシンボル半分ずつ使えば良いじゃない！と思ってたので（笑）ピンクのシンボルって可愛いよね…！

それではここまでお付き合い、ありがとうございました！

+ ご来訪＆拍手をありがとうございました！+