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WJ:REBORN夢

最近この町はおかしい、と思う。だって何かよく爆発音聞こえるし、見慣れない子供というか赤ん坊が居たり、黒いスーツ着た人を大勢見かけるようになったし…いや変わった人は元々多いけどさ(うちのお兄ちゃんとか)。でも前はもっと落ち着いた平凡な町だったと思うんだけど…それは私の思い込みか。



「(そういえば何か鳥の餌買ってくるように言われてたんだっけ…)」
『はあ!?何処だそりゃあ!勝手に自分で帰って来いぃ!』
「(、え…何?)」



突然耳を貫く大きな声。辺りを見渡せば恐らくその大きな声の所為か周りの通行人から遠巻きされている男性が居た。…髪、長い。銀髪だし。その前にあの人が携帯電話に向かって話しているのは何語だ。聞き慣れないその言語は明らかに日本語でも英語でも無い、外国語だった。



『おい待て聞いてん…くそがあ、切りやがって!』
「(が、外国人だ…)」
『ちっ…あのイカレ野郎…』




その男性は携帯電話を耳から乱暴に離した。電話の相手と喧嘩でもしていたんだろうか。見慣れない外見と何処か変わった雰囲気に興味本位から思わず見入っていると不意に私が居る方向を向いたその外国人と目がばっちり合ってしまった(ぎゃああ!)。よく分かんないけど見ててごめんなさい…!



「(うわ変に思われたかな…って、)」
「う"おぉい、そこの女」
「え、…あれ、日本語?」



直ぐに目を逸らしてちょっとした自己嫌悪モードに入っていると誰かが近付いてくる気配。顔を上げれば外国人の姿が近くに、嘘、何で?つーか日本語?そんで私まさか話しかけられてる?
思わず瞬きを何度もして状況を把握しようとする。が、それに構わず外国人は眉間に皺を寄せたまま私を見下ろして(背ぇ高いな…)外見と合わないまでの綺麗な日本語を披露してくれた。



「この辺にスシ…っつー店か何かがあんのを知らねぇかあ?」
「……寿司?」
「連れが居んだ」



そこまで言い終わると外国人は私の返答を待ったのでつい私は焦った。ちょっ待て、自分で言いたくないけど急な展開ってなかなか頭ついていかないんだよ私。さっきまで「外国人が居る」て遠巻きに見ていたのにいきなり話しかけられてしかも日本語ぺらぺらで、いや別に悪くないけどね。外国語で話しかけられるよりよっぽど助かるけどね。ああそうじゃない、えーと確か、寿司屋?寿司屋っていったらこの辺じゃ…




「近くだと竹寿司、とか」
「…とりあえずそこに行ってみっか…道教えてくれねぇか」
「は、はい、向こうにずっと真っ直ぐ行って…」



此処が竹寿司に案外近い場所で助かった。遠かったら説明しても自分が分からなくなってくるからね。精一杯分かりやすいように道を教えると彼は大体理解してくれたようで相槌を打って「そう遠くねーなあ」と零した。良かった、私の説明で直ぐに分かってくれて。
それにしても眉間の皺の取れない人だ。癖かそれとも機嫌が悪いのか。どちらにしてもおっかないなと思った矢先だった、彼が整った顔を歪めて軽く笑ったのは。




「呼び止めて悪かったなぁ」
「…!」



きっと眉間に皺を寄せるのは癖なんだろう。だってそのまま笑ってた。綺麗な銀髪を揺らして去って行く彼を見送る私の顔は間抜け面だったと思う。間抜け面、というよりもまさかあんな風にあの人が笑うとは思ってなかったから、無意識に見惚れてしまいその余韻に浸っている私がそこには居た。





(   「何してるの」「お、お兄ちゃん今すっごいかっこいい人が、」「は?誰それ噛み殺すよ」「何で!?」   )

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(只今のお礼夢:四種)




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