白石夢「ハッピーセット」のおまけ。マクドにて。


「白石、何注文すんの?」

「男は黙ってハッピーセットや!」

「いや、全然意味わからん」

「食後のデザートはサンデーやでぇ」

「健康オタクのくせに、こんなジャンキーなもん食べてええの?」

「細かい事は気にしたらあかん」

なんでドヤ顔なん。


店内のガタついたテーブル席に座り、奢ってもらったフルーリーを口にする。

はあ……食べ物に釣られたとはいえ、学校以外で白石と関わることになるなんて、何たる不覚。
と、思いながらハッピーセットのしょーもないオマケのおもちゃに喜んでいる白石を眺める。

アホや。

「見てみぃ、これ凄ない?」

白石の手の中では、あの青いタヌキのような国民的キャラクターが絶妙な動きをしている。

「うん、凄い。あんたのテンションが」

白石がおもちゃに夢中になっている間、自分のカバンの中にあったアレを、ヤツのサンデーに全て刺しておいた。


「なんやこれ」

「ポッキー」


それはポッキーと呼ぶには失礼なほど、すっかりチョコがドロドロに剥げてしまっているけれど。

白石が、針山のようにとげとげしいビジュアルになったサンデーに若干引きながらも、おおきに……と言って、普通に食べ始めたので、思わず笑ってしまった。





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