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 カチャリと音を立ててドアノブを回すと、頭上で切れかけた蛍光灯の明かりがちかちかと揺れる。今は本当に真夜中だけれど、ここはいつ来ても夜のようなところだ。近頃は見慣れてきた緑色の頭がクルリと此方を振り向くと、微かに強張った肩の力は思いの外呆気なく抜けていく。
「キミが報告とは、珍しいね」
「……ジャンケンで、負けたんだ」
 渋々数分前の敗北を伝えると、男はあっさりと「そうか」と頷いた。蛇のような金色の目が薄闇の中でぎらりと光って、白い指はすっと揶揄うように此方の顔を指す。
「睡眠不足は効率を落とす。吐くだけ吐いたら無意味な夜更かしはせず戻るんだな」
「子供じゃないんだぞ」
「子供扱いしたつもりはないが」
「……。なら、いいが」
 知らず男の語尾を繰り返すようにして答えた自分の声は、やはりどこか子供じみて聞こえて。妙に浮き足立った心中を沈めるように、夏生はひとり密かに溜め息を吐いた。

[AM1:00/研究室/夏生+ドクター]



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