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以下、或る図11にて発行した露紅本「露紅繚乱」に収録した話のオマケです٩(ˊᗜˋ*)و (単体でも読めると思います) Darkside(紅葉先生のマフィアスーツが元ネタのマフィアパロ)のオマケ小話 体がふわりと浮く感覚で浅い眠りから目覚めた。 身長百七十八センチの露伴がどんなに静かに体を滑り込ませても、体重でベッドが沈み込む。 「あ、悪い。起しちまったな」 夢うつつで振り返ると、一ヶ月ぶりに聞く露伴の声が申し訳なさそうに言う。 「……いい」 半分眠りながら、紅葉は手探りで露伴を求めた。その腕の中に筋肉質の大きな体が収まりに行く。 「ちゃんと我のところに帰ってきたな。えらいぞ」 目を閉じたまま、紅葉はよしよしと胸に抱いた露伴の頭を撫でた。 「よその家で餌を貰ってもよいが、そこの家の猫になってはならぬぞ」 「いくら俺がフラフラしてるからって、猫はねえだろ」 「よしよし、いい子だ。お帰り露伴」 抗議めいた呟きは無視してキスの嵐。隙を突いて露伴が深い口づけをお返しすると、紅葉が甘いため息をついて大人しくなった。 「なあ、やっぱり遅くなった日はソファーで寝るから」 「イヤだ」 ぎゅっと露伴にしがみつく紅葉を諭すような囁きは即座に拒否された。 「約束したであろう? 帰ってきたらすぐ側にいてくれ」 夜中に帰ってきて、紅葉を起さぬよう気遣ってソファーで寝た朝、なんで一緒に寝てくれなかったのかと涙目の紅葉にしこたま怒られたのを思い出す。 「起すから」 「お主が我のベッドに入ってきてくれるのが好きなのに」 「我のベッドって……。俺のベッドでもあるんだからな、ここは」 ふふふと笑い声が帰ってきて、ひょっとしてはぐらかされたのかと不安になる。 「釣りは楽しかったか?」 アマゾンへ釣りにいくと旅立った露伴が、完全に現地の漁師との見分けがつかなくなり、仲間と一緒に建てたという家の前で巨大なピラルクを手にしている写真を送ってきた時は怒りのあまりスルーしたが、露伴を目の前にすると許してしまう。 「楽しかったぞ」 からかうように言う紅葉の声の優しさにほっとしながら露伴が返事をすると、大きくため息をついた。 紅葉の腕の中から抜けだし、大きな手で紅葉の頬を挟む。 「どんなに楽しくても、ふっとお前の顔見たくなるんだよなあ」 しみじみと、紅葉の事を心から愛おしく思っている目で、万感の思いがこもった言葉を口にする。 「そうなると、今まで楽しかったこと全部放り出して、お前に会いたくてたまらなくなる」 凝り性で、一度はまると徹底的にやらなければ気が済まない。そんな性格の露伴が、どんなに他のことにのめり込んでも、そのうちお前が切れて禁断症状を起すんだと言って笑った。 「俺が帰るところは一つだけ。だから、お前の隣で眠らせて欲しい」 露伴の言葉を満足げに聞く紅葉へ懇願する。愛してるぞと囁かれ、返事の代わりに、露伴の胸へ頬を寄せてぎゅっとしがみつく。 「俺が居なくなったって、お前は弟子たちを捨てて追っかけてきてはくれないだろう? お前の弟子たちも、よってたかって俺の事を忘れさせようとするに決まってるしな」 冗談めかして言う露伴の本心。 「だから俺はちゃんと帰るしかないんだよ。お前の所に」 甘く囁いて、紅葉切れの禁断症状をおこした露伴はたっぷりと紅葉を摂取する。 甘えるように首筋に口づけられ、ああ……と紅葉がため息をつく。 紅葉を抱きしめる腕、笑いを含んだ声、優しい唇。 この男の全てが愛しくて、恨み言を言うのも忘れてしまう。 終 |
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