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ちょっと長い10のお題





03.地位も名誉もいらない、僕が欲しいものはただ一つだけ



願いがひとつ叶うとしたら?



「世界征服、とかでもいいんですかねィ」
「まあ、なんでもいいから一つ、ってことだろ?…つかなんつーこと考えてんだお前は」
「誰でも一度は考えやすぜ普通。なあ山崎ィ」
「…え?あ、えーと…はあ」
「はっきりしろィ。世界とは言わなくてもアレだろ、
土方さんの上司になって日頃の恨みをネチネチはらしたいとかそういう」
「おお、お、思ってませんよそんなこと!ちょっと副長、何で刀抜いて、え、ちょっと待っ」



「え?そうね、一刻も早くこのストーカー被害から救ってほしいわ」
「そんなのもちろんお妙さんとふべらっ」
「撃退のための無駄な筋肉がついちゃってしょうがないの」
「引き締まったお妙さん…すてきじゃないですがごばっ」
「なにを想像したこのゴリラァァ!」



「私は、またあなたとかぶき町を駆け回って遊びたいです。きっとまた、いつか」



「僕は早くまともな収入がほしいよ…」
「まるで俺が給料やってないみたいに聞こえるだろーが」
「ちゃんと「まともな」ってつけたでしょう。
僕はねェ、はやく道場を立てなおしたいってのもありますけど、
やっぱり姉上にはあんまりああいう仕事してほしくないんです」
「…いやーあいつもきっと楽しんでると思うんだけど…」
「僕が嫌なだけですよ!すいませんねシスコンで!」



「あァ…死んだ人間に会いたいなんざ、ベタすぎて言えねェさ」

「そういうお前はどうなんでィ」



「別にねェよ、俺は」
「寂しいやつだなお前。あるだろなんか」
「…ねーったらねェ。お前はどーせアレだろ、甘味食べ放題とかよ」
「はん、甘い、甘いなお前」
「まァ甘味だからな」
「それはどうにかなんだよ気合で。なんとかなんないこと願うべきだろうがよォ」
「じゃあなんだよ」
「…ふふん。お前ェにゃ教えねーよー」
「…お前になんとかなんないことなァ…。地位とか、名誉とかか」
「…どうにかなんないと思ってること自体ひでェってわかってる?ソレ」
「だから言ってる」
「イジメェェ!!明確な意思を持ったイジメェェ!!!」



「…あ?結局どうなのか?」



「そうだなァ、地位でも名誉でもねェ。俺が欲しいのはただ一つだけだ。
どーにもなんねェ、人の心って奴だよ」



「わかんねェ?ま、お前にゃあまだ早ェからな。ホレ、もー帰んぞ」



願いがひとつ、叶うとしたら。



「…なんで、どーにもならないことだと、思ってるアル」


もっと、本当にどうにもならないことを、願うべきなんじゃないのか。


「恋する男はわからないアル」


あの視線に、気づいていないなんて。





終





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