そこはいつもいたあの場所だった。





[in the dark]





はっと目が開く。横たわっている身体、柔らかい布の感触。どうやら僕は、自室のベッドで寝ていたらしい。

視界は闇。まだ夜中なのだろう。嫌な時刻に起きた、と思い再び眠ろうと瞼を落とすが眠れそうにない。仕方がないので本でも読もうと身体を起こした、その時だった。


『ねえあなた、真の風を宿しているのね!』

「………」

『あれ?でも前見た時は違った気がするんだけど…』


幻聴かと、目の錯覚かと思った。だけど確かに見える、淡い光に包まれ空中に浮かぶ掌サイズ程の小さな物。


いや、物というより者か。


「…何、何なわけ?」

『何って、私は夜の精霊!』

「…精霊だって?」

『そうだよ!』


思わず聞き返してしまったのは精霊の存在を否定したいからじゃない。寧ろ存在を認知しているのだが、まさかその精霊がこんな姿だったとは。


「…寝る」

『ちょっと!せっかく出てきたのに!』


布団を被ろうとする僕を止めようと何故かソレは必死だった。







あと1000文字。