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※題名は適当です 多分改名します※
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雲雀さんのことが好きすぎてナナメ上行くツナくんのおはなし(全3P)
短編の『僕は、きみのためにこそ恋を知る』の続編
※これだけ読んでも多分問題無いと思います※
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同じ高校に入れたら、オレのお願い聞いてくれますか?



そんなオレの言葉に、ヒバリさんはきょとんとした顔で一瞬首を傾げた後、こっくりと頷いてくれた。
多分、どう考えても不可能だと思ったんだろう。それっきりヒバリさんはオレの発言なんか忘れてしまったように、日々楽しそうに過ごしていた。

しかし、オレは死ぬ気で頑張った。
それこそ、ニンジンを目の前にぶら下げられた馬車馬のごとく、頑張った。
そしてどうにかこうにか高校に合格し――(補欠で繰り上げというぎりぎりな状態だったが)――見事に『ヒバリさんとお付き合いをする』権利を得たのだった。

まさかオレがヒバリさんと同じ高校に入学できるなんて、かけらも思っていなかったらしいヒバリさんはかなり渋ったけれど、そこはとにかく『約束』と『泣き落とし』で押し切った。
ヒバリさんは自分では気づいてないようだが、オレのうるっとした無駄に大きな瞳で下から見上げられるのに弱い。
オレがべそべそ泣きながらスッポンみたいに腰にしがみついたら、しぶしぶながらもOKしてくれた。
『でもレンアイ的な意味じゃない』とか悪あがきをしていたけれど、それでもいい、形式だけでも恋人同士ってやつですよね。
形から入ったとしても、お付き合いしていればきっと本当の恋人同士になれるはず…と、オレは期待に胸を躍らせたのだった。


花の高校時代、『お付き合い』は一応は順調に進んだ。

ヒバリさんに咬み殺される頻度が格段に落ちたし(無くなったわけではないのが悲しいところだが)、時折気まぐれに一緒に帰ってくれたりもした。
更に機嫌がいいときなどは、オレの髪を撫で付けてくれたりもして、そんな時はもう、オレは天にも上る心地で嬉しくてたまらなかった。(ぐちゃぐちゃにかき回されることもあったが)

オレは暇さえあればいそいそとヒバリさんの姿を探し、出来る限り一緒に行動するように頑張り……そんなオレに付いたあだ名は「雲雀のペット」だの「雲雀のお稚児」だの。(相当ヒドイとおもう!)
まぁ、ヒバリさんは相変わらずマイペースで他人がどう思おうと気にも留めなかったし、オレも中学校の時のように低レベルのいじめにあったりしなかったから、別段気にもならなかったが。
獄寺くんや山本が聞いたら大騒ぎしそうなあだ名だが、生憎と二人とも、オレとは違う高校に通っていた。
山本は推薦で野球の強豪高に進学、獄寺くんはオレと同じ高校を志望したものの、試験当日に体調を崩し受験に失敗、結局すったもんだの末にイタリアに帰国してしまった。(これがまたとんでもない大騒動だったのだが…最終的にリボーンの鶴の一声で収まった)

ヒバリさんは中学校のときのように風紀委員をしたりせず、そして応接室を占拠したりもせず、ごく普通に学園生活を送っていた。
どうやら風紀を取り締まるよりも興味深いことが出来たらしく、あまり周りのことに無関心というか、ヒバリさんが取り締まるような風紀を乱すレベルの低い生徒が居ないハイレベルな学校だったというか…とにかく、まるで借りてきた猫みたいなヒバリさんを見て『そんなヒバリさんも…かっこいい』とうっとりするオレは、かなりヒバリさんにメロメロの状態だった。

姿を見かけるたびにドキドキして、声を聞いただけで夢見心地になって、後を付いていくだけで信じられないくらいはしゃいで……。
とにかく、今から思うと、あの当時のオレは確かに相当『御目出度い』状態だったといえる。

今日は微笑みかけてくれるかな。
ひょっとしたら頭、撫で撫でしてもらえるかもしれない。
ヒバリさんがご機嫌だったら、て、て、手なんか繋いでもらえるかも。

オレはもう、ポチのようにヒバリさんに纏わり付いては、きらきら期待いっぱいの瞳で見上げて、ヒバリさんが構ってくれるのを今か今かと待っていた。
オレの期待に反して、ヒバリさんは手ひとつ握ってくれなかったけれど、風紀の乱れに(高校では風紀委員では無いとはいえ)厳しいヒバリさんだから、『高校生らしい健全なお付き合い』でも仕方が無いかと半ば諦めてもいた。

それでもやっぱり、オレはヒバリさんが大好きだったから…どうにかして恋人らしくできないものかと、あれこれ試すことにしたんだ。

『気になる人をドキッとさせる仕草100選』という雑誌をこっそり買って鏡の前で百面相していたら、「気持ち悪りぃ!」とリボーンにぶん殴られた。
それでもめげずに、ヒバリさんが何気なく振り返った時に、そのしぐさを思い出せる限り全部やってみたのだが、ヒバリさんはしばらく石のように身動きもせず眉をひそめてオレを見ただけだった。

「……なに? 突然」
「えっと、えっと、えっと、ヒバリさん、今、ドキッとしませんでした?」
「……ドキッというより、ギクッとしたけど。前から変な子だとは思ってたけど、とうとう熱にでもやられて妙な踊りを踊り出したのかと」
「あ…。そ、そうですか…」
それを聞いてオレはがっくりと項垂れた。
作戦失敗。全然ヒバリさんをドキッとさせられなかったみたいだ。

じゃあ次だ、と今度は『放課後仲良く下校して、寄り道しながら新密度アップ』作戦を…と思ったのだが、良く考えたらヒバリさんは寄り道が嫌いなんだった。
中学校の時みたいに応接室(と相応な場所)をヒバリさんが陣取っているなら、そこに入り浸って…という作戦も考えられるんだろうけれど、今はそんな場所は無いし、授業が終わったらヒバリさんはさっさと帰ってしまうし。

寄り道がキライなら、一旦家に帰ったあとで改めてオレの家に呼ぶっていうのはどうだろう。
なんせ、一応『お付き合い』してる仲なんだから、『家に遊びに来て』というのは別におかしくもなんとも無いよな。
うん、これならうまくいきそうだ。

早速オレはヒバリさんを捕まえて、ちろりと上目遣いに見上げながら(この角度が大事なのだ)お願いしてみた。
「ヒッヒバリさん、あの、明日にでもオレの家に遊びに来ませんか!?」
「やだ。きみの家、がちゃがちゃしててうるさい」
即答されてしまった。
そんな、打てば響くように断らなくても…。

そういえば、中学を卒業してしまうヒバリさんに、オレがすっぽんみたいに腰にしがみついて『今までみたいに学校で見かけることが出来なくなったら、どこで貴方を観賞したらいいんですかーっ』と泣きを入れたときに、しぶしぶ『わかったよ、たまになら君のところに顔だしてあげるから』とは答えてくれたものの、家に来てくれたことは一回も無かったな。
たまに通学路ですれ違ったり、公園で鉢合わせしたりとかそんな感じだった。

う~ん、オレの家、避けられてたのか。まぁ、いきなり爆弾が爆発したり、バズーカぶっ放されたりする家だもんなぁ。

「で、でも多分リボーンもいますよ。ヒバリさん、リボーン好きですよね!?」
なんで『お付き合い』してるのはオレとなのに、リボーンで釣らなきゃいけないんだ…と悲しくなったけど、我慢する。
「赤ん坊とは定期的に連絡取り合ってるから、今更会わなくてもいいよ」
「ううっ!」
リボーンでも釣れなかった…どうしよう。

「あ、あの! 母さんが美味しい手作りお菓子を作ってくれるっていうんですけど…」
「奈々が?」
ヒバリさんは一瞬きょとんとした顔をして、こてっと首を傾げた。
う~ん、妙に可愛い仕草だなぁ。でもヒバリさんってすごく綺麗な顔してるから、あんまり違和感ないな。
…っていうか、自分の親を呼び捨てにされているのに、全然腹も立たないなぁ。さすがヒバリさんだよ、惚れ直しちゃうなぁ。

オレがうっとりとヒバリさんを見上げている間に「じゃ、少しだけお邪魔させていただくよ。明日の3時ごろでいいのかな」とあっさりOKの返事をもらってしまった。
「ほ、ほんとですかー! うわー嬉しいなぁ!」
オレはもう、それこそ飛び上がって喜んだ。
母さんに頼んで美味しいお菓子を作ってもらって、ついでにランボたちを連れて外出してもらって…。そしたらヒバリさんと二人っきりになれるよなぁ。
頭の中はすでに楽しい妄想でいっぱいで、興奮してその晩は良く眠れなかった。


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