お礼代わりの秘密SS。
ポーランド×ヤドヴィガです。
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「お、ヤドヴィガ何してるん? そんな事より俺と遊ぶしー」
賑やかな声を立てるポーランドは、華麗なドレスを身にまとった少女に後ろから飛びついた。
小さく悲鳴をあげかけるが、背後の人物がポーランドだとわかると、顔に笑みを浮かべ。
「ダメよ。そんな事したらお花がつぶれてしまうじゃない」
穏やかな声で彼を嗜める。
少し拗ねた表情を見せ、それから彼女の肩越しに花を眺める。
花壇に植えられた小さな花に頬を緩め、幸せそうに微笑んだ。
「相変わらずヤドヴィガは花育てるの上手いし」
しゃがみ込み、膝に肘をついて花とそれを手入れする彼女を交互に眺める。
ドレスの裾が汚れる事も気にせず、土に触れ、手入れを続けた。
軽く息を吐き、満足げに整った花壇を確認すると、ポーランドの方をむき、静かに微笑んだ。
手に一本の花を持って。
「お待たせしたお詫びです。こちらをどうぞ」
彼女が差し出したのは、色鮮やかなパンジーの花。
ぽかんとするポーランドの胸元につけてみせた。
つけられた本人は最初は嬉しそうに花をみていたのだが、しばらく花を眺め、それから胸元から外した。
首をかしげる少女に、彼はにんまりと笑みを浮かべて見せた。
「俺もマジ似合うけどーやっぱり」
1歩足を踏み出すと、少女の髪に触れる。
さらりとした髪を軽く指で梳き、それから花を髪に飾った。
「やっぱ似合うし。ヤドヴィガによく似合うと思ったんよ」
「あ、ありがとうございます」
照れ気味に微笑む少女の姿を眺め、彼は満足げに頷き。
「そういえば、パンジーって恋人に贈る花っていうんよ。つまり」
素早く彼女の頬に口付けをし、満面の笑みを浮かべて見せた。
「これは愛の告白と受け取っていいし? もちろん俺はOKだしー」
「いや、その……あの」
顔を真っ赤にし、戸惑う彼女を、笑いながら眺め。


「……花言葉は私を忘れないで……かぁ」
色鮮やかな押し花を眺め、ポーランドは寂しそうに呟いた。
「俺はいつまででも忘れない。ずっとずっと……」
彼女が残してくれた色鮮やかな花壇を見下ろし、小さくため息をつく。
「ん? どうかしたの? ポーちゃん。あ、綺麗な花ね」
後ろから覗きんで来たハンガリーに、彼はいつもの笑みを浮かべてみせる。
先ほどの寂しげな笑みを隠して。
「ハンガリーか。マジ綺麗だろ。俺の自慢の花壇なんよ」
「本当に綺麗ね……大切にしてきたのね。ポーちゃんは」
丁寧に手入れされた花壇を見回し、ハンガリーも頬を緩めた。
「ポーにしては珍しく、俺に手入れ押し付けないものね」
やはり後ろから歩いてきたリトアニアが呆れた笑いを浮かべ、花壇の前にまで歩み寄る。
三人の目に映るのは、赤と白に色分けされた鮮やかな花壇。
その彩りは彼の国旗と類似しており。

「俺がもし消えても、この花壇の為に復活するんよ。
ヤドヴィガの事は絶対に忘れんから」

小さく呟いた彼の顔には、いつもの自信に満ちた笑みが浮かんでいた。








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