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オイルの臭い
きしむ人工筋肉
うなるベアリング………
そして人体工学に基づいて設計されたごつくも美しいフォルム……


なんて、機械鎧の魅力を語る奴がいる。
俺はそこまで思い入れが無いからよく分からないけど、手足が自由に動くという利点にはとても感謝している。
だが、ただ一つ面倒な事といえば……


機械鎧には頻繁に手入れが必要だということだった。



***




「なに?機械鎧の手入れを手伝って欲しい?」
「うん。今アルが出掛けてるから……いい?」
「私が君の願いを断るわけが無いだろう。おいで。手伝ってあげるよ」


急に司令部を訪ねたかと思えばそんな事を言う俺に、大佐は動じることもなく答えてくれた。
手招きされてソファに座らされると、大佐はさて…と俺の顔を覗き込む。


「私は何をすればいいのかね?」
「肩の後ろの部分……ちょっと見てくんない?最近動き悪くてさ」


そう言って俺は着ていた服を上半身だけ脱ぐと大佐に自身の後ろに回るように伝える。
だが、どうもおかしい。
一応大佐は俺の言う通りに動いてくれたが一向に機械鎧に触れる気配がない。

「あのさぁ……何してんだよ?」
「いや、相変わらず君の肌は白くて美しいと思ってね」

首筋に、繊細な指先が触れてくるのが伝わる。


「本当に綺麗だよ、エド」


なんて、腰にくるような素晴らしい低音ボイスで俺の耳元で話し掛けてくる。
……やばい、なんか……恥ずかしくなってきた。


「いいからさっさと見てくれよ!これだからあんたに頼むと……」
「分かった分かった」


照れ隠しのついでに怒鳴りつけると大佐はようやく要望に答えてくれた。


「ふむ、少し錆びているね。……何か拭くものはあるかな?」
「あるよ。はい」
「ありがとう。しかし定期的に手入れが必要とは大変だな」
「まぁ……ね」

なんて軽く返事をすると俺はその後更に言葉を紡いだ。

「でもさ、大佐が手入れしてくれるなら悪くない……かな」
「何故だい?」
「だって大佐ってこういうの丁寧にやってくれそうじゃん」
「確かに。君の事を思えば尚更、手を抜くなんてことは出来ないしね」


さて、終わったよと大佐は俺の肩をポンと叩く。


「ちゃんと動くようになったかい?」
「おう。あ……大佐」
「何……ッン……」


返事の途中で、俺は大佐の腕を引っ張ると彼にちゅっと口付けた。


「ありがと。今の、……お礼だから」
「あぁ、しっかり受け取ったよ」


やたらとにやにや…いや、にこにこしながら大佐は返事をすると俺をしっかりと抱きしめてくる。
ただそれだけの事なのに、これだけ幸せな思いになれるのなら………

大嫌いな機械鎧の手入れも少しは好きになれるような気がした。





『REPAIR』  Roy×Edward





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