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書き上げられずに投げ出してしまった作品2 冒頭部

(※男×男の絡みシーンです)


深々黙々 
エレベーターへ乗り込み、扉を閉じるボタンに手を伸ばし、その視界の端に人影を認める。
「あ、」
ラムサスは手を横に滑らせ、隣のボタンを押した。
駆けようか、留まろうか、不自然にステップを踏んだ足が思い切って早足になる。
「悪い」
目を細め、会釈をしながらシグルドが乗り込む。ラムサスはエレベーターの扉を閉めた。
小さくゆれ、モーター音が響く。ふと、顔を横に向けた。同じタイミングに、シグルドも同じ動きをしていた。視線が合うのと同時に、手を伸ばし、脚を踏み出し、それも示されていたようになめらかに、唇と唇が合わさる。舌が舌を撫でた。エレベーターの扉が開いた時、二人入った時と同じ距離を置いて正面を向いていた。

先に踏み出し、通路に出たシグルドが一度二度、目を往復させる。
そこに並んでいた内、向かった一部屋は、何者にも使われていなかった。何時でも急の客人を迎え入れられるようにと整頓された空き部屋へ、シグルドに続き扉をくぐったラムサスは、そのまま後ろ手に錠をさす。
衣服は互いに自ら、ベッドの上へと脱ぎ捨てられて行く。
暖房機は既に入れられているらしい。しかし、すぐには暖まらない。着込んだ衣服も、未だ全ては取り払われていなかった。
それより先に、歩み進め、体温を感じ合う。
ラムサスの手の平はシグルドの鎖骨をなぞり、シグルドの手はその腕をなぞり、伝って行った先で絡み合わさる。互いの唾液を啜りあって咽下する。片手は絡め合ったままで、残りの衣服を引っ掴み、もどかしい動きで緩め合う。漸く額合わせ、匂いを確かめ合う獣のように何度も、露わになった頭を擦り付け合って、身を寄せ合う。



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