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09年26号を読んで、なんかいい感じに壊れた脳から出て来たのはこんな話でした。
……扉絵一枚でここまで妄想って、自分どうよと思いましたがまあいっか。
あ、ちょっと脳みそがピンクなので、そっち方向にほんの少し傾いております。
苦手な方はブラウザバックするといいと思います。
……本誌妄想はセンセイと紫穂ちゃんがつきあってるってことにしてます。や、もうそれしか思い浮かばないんですもの(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 


「あれ、センセ、まだいたん?」
 バスルームの扉を開けて最初に発せられた言葉に賢木は苦笑しながら応える。
「一応な。お前らが風呂入ってる時に帰ったら『礼儀がなってない』とか言われそーじゃん? だから挨拶だけでもしとかないと」
「まあそうやな。特に紫穂はそう言う所うるさいし。……センセにだけかもしらんけど」
 なんでやろな? などと呟く葵にはどうやら何一つ気づかれてはいないようで、ちょっとホッとする。
「紫穂やったらもう少しで出てくると思うで。もうちょっとだけ待っててあげてな」
 そう言いながら葵は髪の毛をタオルドライしながらリビングへと向かった。ふう、と息を吐き出して賢木は壁に寄りかかる。
 ……皆本に『もう、帰るわ』と伝えてから既に10分ほどが経過している。さすがにそろそろ皆本家を出ないと不審がられてしまう。ただ、葵にも言ったが挨拶なしで帰るのはやはり気が引けた。
(挨拶なしで帰ったら、しばらく無視されそうだもんなぁ)
 などと考えていると、再びバスルームの扉が開く音がしてひょこ、と見慣れた顔が飛び出してきた。視線が合うと驚いたように目を見開き、しばし止まったあととことこと歩いて来て真正面に立つ。含みのある笑みを浮かべながら言い放った。
「あら、こんな所で何してるのかしら? 中学生のお風呂を出歯亀だなんて、いい度胸してるわね、センセイ?」
「俺はそんなことはしなーいっ! てかお前いくつだよ。今時そんな言葉使わないだろう」
 なんちゅう単語を知ってるんじゃ、と思わずツッコミを入れると、返って来たのはからかいの色濃い微笑み。
「やーねっ。レディに年は訊いちゃいけないのよ?」
 センセイってばおかしーの、などと呟きながら紫穂はそのままばすん、と賢木の胸に体重を預けて来た。目を閉じて頬をそっと擦り寄せている様はまるで、子猫が大好きな飼い主に甘えているよう。
「……お、おい、葵ちゃんとか戻って来たらどーすんだよ。いくら俺でも言い訳できないって」
 慌てふためく賢木を尻目に、紫穂の方はのんびりゆったりと返事する。
「大丈夫よー。葵ちゃんならきっと皆本さんと二人きりのこのチャンスを逃すまいと必死になっていると思うから。……私もこの時間が大事だから、邪魔しに行こうなんて気もさらさら起きないし」
 などと言いながら賢木を見上げた紫穂の、頬に張り付いていたふわふわの髪の毛をそっと外してやりながら、ふっと鼻孔をくすぐる甘い香りにくらり、とする。
(これ、紫穂のシャンプーの匂い、だよな)
 これまでの経験でいくらでも嗅いだことがあるはずの匂いなのに、今まで感じたことのないような魅惑的な香り。
 理性のタガが一瞬外れかかり、肩をつかんでそのまま壁に押し付けたい衝動に駆られたが、なんとかブレーキをかけて押しとどめた。
 代わりにそっと、くるむように抱きしめる。壊れ物を扱うかのようなそんな柔らかな、抱擁。
 けれどそれが紫穂には物足りなかったようで。不満の色を瞳に浮かべながらぷう、とむくれた。一瞬ためらいの色を見せたあと、くい、と唐突にパーカーの紐を両方とも引っ張った。不意打ちで力に逆らいきれなかった賢木の身体が紫穂に傾く。
 その一瞬に、唇に甘い感触。香りと感触、ダブルパンチで目の前がクラクラしてしまう。
 ──その、可愛らしい唇を開かせ、舌を潜り込ませて思うさま味わいたくなる。洗いたての髪の毛をかきあげ、耳朶を食み、首筋を辿り、吸い付くような肌をむさぼりながら胸元へと──
(頑張れ、俺の理性!)
 賢木は必死に耐えた。ここで耐えきれなかったら明日には辞令が出て南極辺りに飛ばされてしまうのは必至。それは避けたい。
 しばらくのち、ようやく唇が離れた。同時に腕の拘束を解く。緊張の糸が切れ、思わずため息を一つ。
「……センセイ、なんでため息なんかついてるのよ」
 問いかけに、ますます盛大な溜息を漏らしながら答えた。
「お前な……もうちょっと男の心理ってヤツを理解した方がいいと思うぞ」
 言葉だけで理解できなかったのか、小首を傾げて賢木を見遣り、次の瞬間にはぎゅっと手を握られた。しまったと思った時には既に時遅し。
 賢木の思考を透視んで、目の前の愛らしい顔が見る間に真っ赤になっていく。それでも手は離さないのがまた可愛らしいのだが。
「……えええええと、ご、ごめんなさい」
 どもりながら謝ってくるのがますます可愛らしくて、空いていた方の手でぽんぽん、と頭を撫でた。
「ま、そこら辺はもうちょっと大人になってから、だな」
「……」
 無言でこくん、と頷く姿がとても愛おしくて、もう一度抱きしめたくなるのをぐっとこらえた。
(ここで抱きしめたら、もう、耐えられないもんな)

 

 




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