ユキに拍手ー(周瑜嬢より)
ようこそ、客人。よくいらした。 私の名前は姓を周、名を瑜、字を公瑾。 孫呉の大都督をやっている。 なにせ戦場の人間ゆえ、客人の出迎えだというのに武骨ですまない。 「ユーキーちゃん! お客さんに桃茶だそうかー!?」 「尚香ちゃん、ありがたいんだけど、桃茶は私のイメージが……」 「えー! あたしの好意をー」 失礼。親友の妹なんだ。 ふふ、かわいい子なのだがお転婆で困る。 「ユキお姉様、ちょっときて!」 「……来客中だというのに。失礼、すぐに戻ります。なんだ権!」 「ジーパンにTシャツとかお客さんに失礼! ボクのこのフリフリドレスを……!」 ゴスッ。 コホン。お待たせしました、始末してきました。 親友の弟なのだが。 バカなのか性悪なのか、実はすごいやつなのか、いまだに計りかねる。 あれでもやるときはやるやつで、赤壁の戦いでは…… 「ユキ! 邪魔するぞ!」 「策、客人が来てるんだ、静かにしてくれ。あ、紹介させて頂く、こいつは孫策といって、私の無二の親友で、江東の小覇王と呼ばれた……」 「どうだ客、ユキはかわいいだろう! 最高の美人だろう! 俺のだうらやましいだろう!」 「……策なんて、孫家なんて大嫌いだ!」 |
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