シシルに拍手ー(ポドールイの人形師より)
人形館にようこそ。あたし、このお館の使用人のシシルと申します。 ジューヌさまにご用なんですよね? 待ってくださいね、ジューヌさまは隠れるのが趣味なのですけど、あたし見つけ方を編み出したんです。 あ、あの美人の動くお人形、ナシャさんに聞けばわかります。 「ナシャさん、お客さまです。ジューヌさまはどこかしら?」 「生憎ジューヌは留守にしておりまして、私が代わりに……」 「ジューヌさまは人形だらけの書斎かしら?」 「……もしかしてそうかもしれません。探しにいきます?」 「結構です、ジューヌさまはお風呂かしら?」 「……たぶんそうです、探しにいきましょうか?」 「行きません。ジューヌさまは螺旋の階段の上の尖塔の部屋かしら?」 「……おすすめしませんけど、そうかもしれません。さあいきましょう」 「いいえ、行きません」 むー、待ってくださいお客さま。 他にジューヌさまのいそうな部屋は…… 「ジューヌさまは、あたしの部屋にいるのかしら?」 「いいえ、シシルさん! ジューヌは絶対シシルさんの部屋にいません! 絶対に今いってはいけません!」 「ちょっとナシャさん、なんでジューヌさま、あたしの部屋にいるんですか!?」 お客さま、行きますよ! ご案内します! あの変態仮面をとっちめてやりましょう! |
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