東嶽大帝を倒して二年後。
再会した君は僕よりずっと大人になってて
凛々しくなった横顔。
長い睫毛に幼さの残る大きな目。
スラリと伸びた指に
白い肌 漆黒の髪。

再会して四年。
僕は高校生になって、目下片想い中。
六年続いてる片想いの相手は、大親友の悪魔。
その彼は今、妹の作ったラーメンを堪能中。
妹といえばラーメンだけ作って彼氏の元へ行ってしまった。
大人の彼は年下好きの妹のお気に召さなかったらしい。

「…なんだよ、じろじろ見て」

ラーメンを食べる横顔を見ていたら
ジロリと睨まれてしまった。

「ううん、なんでもないよ」
「…変な奴」

"変な奴"か。

「懐かしいね。初めて会った時もそう言われたっけ」
「よく覚えてるな」
「君との事なら、なんだって」

僕の宝物。
それは心の一番深いところで
まだきらきらしてる。

「…ふぅん」

それだけ言ってまたラーメンを啜る横顔を
怒られるの覚悟で見つめた。

あぁ…やっぱりカッコイイ。
っていうより、可愛い。綺麗。
…やっぱりカッコイイ。

「メフィスト二世」
「あ?」
「好きだよ」

美味しそうな顔が一変。
眉間に深く皺が刻まれた。

「…あのなぁ…」
「ん?」
「前も言っただろ。俺は悪魔くんとどうこうなる気はねぇ」
「覚えてないや」
「なんだって覚えてんじゃねぇのかよッ!」
「都合の悪い事はどんどん忘れるようにしてるんだ。
楽しく生きるコツだよ?」

至極呆れたという顔をした二世に

「君が僕を好きだって言ってくれたら絶対忘れないけど」

そう言うと今度は盛大にため息をつかれた。

告白したのは、一週間前。
答えは即座に『No』だった。
でも。

「六年も待ったんだ。君が好きになってくれるまで、待てる」
「ならねぇっつってんだろ!」
「ラーメン伸びるよ?」

おっと、とすぐにまたラーメンに集中してしまった。
身体はすっかり大人なのに
中身は変わってない。
なんだかんだ言って、いつも傍にいてくれる。
単純で、ぶっきらぼうで、優しくて、強い
僕の第一使徒。

人間で男でメシアだけど
六年越しの片想いくらい
叶えてくれたって 神様 悪くないと思うんだけど。

祈るように想いながら
君の横顔を見つめた。



(怒られる五秒前)






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