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【ランダム拍手用連載小話:計4話】
・夏休みの会話 ver.おお振り:泉孝介
・夏休みの会話 ver.庭球:越前リョーマ
・夏休みの会話 ver.笛!:椎名翼
・夏休みの会話 ver.復活:雲雀恭弥
(※全てネームレスです)

夏休みの会話 ver.復活:雲雀恭弥

「恭ちゃん先輩、夏休みですよー。たまには休みましょうよー」
「そんな暇ないよ。次、これ」
「えええ!まだあるんですか?!書類の山は見飽きましたってばー…」

私の風紀委員のお仕事は、生徒の事前申請に、後処理。
というか、学校以外の書類もまざってない?明らかに並盛町の役員宛てのもあるし。
と思いつつも、深くは聞けないのがつらいところだ…。むしろ怖くて聞きたくない。
私の前では恭ちゃん先輩は、何事もないように欠伸をしているが、 きっと私の知らないところでは、風紀委員の活動が活発に行われているのだろう。

「(まぁ、いいけど…。どうせツナも補習で学校来てるわけだし)」

私がそんなことを思いながらも書類の処理を進めていると、 ソファーに腰掛けて、恐らく次に私に渡す予定であろう書類を読んでいる恭ちゃん先輩が、 疲れたように肩を動かす。

「あれ?恭ちゃん先輩、お疲れですか?あ、肩コリですか?!」
「うるさい。咬み殺すよ」
「はい!じゃあ、ちゃんと座って下さい!私、肩揉みますよ!」
「…君、本当に人の話聞かないよね」

立ち上がり、恭ちゃん先輩の背後に回って無理矢理、恭ちゃん先輩の肩を掴む。

「ちょっと何勝手に…」
「いいから、いいから。私、結構上手いんですよ」
「君には本当何を言っても無駄そうだね」

「もう好きにしなよ」と折れた恭ちゃん先輩の返事で、私は掴む肩に力を入れる。

「気持ちいいですか?」
「普通」
「素直じゃないですね!」
「君に言われたくないよ」
「私は素直ですよ!いつも!」
「へぇ…。ならさっさと言えば?幼馴染くんに君の本当の気持ち」
「うっ…。それとこれとは別の話です…」

私は恭ちゃん先輩に痛いところをつかれる。 散々、恭ちゃん先輩には言える愚痴をツナには言えない。 京子ちゃんに比べて、私に対する扱いが酷いとか、 散々、ここでは愚痴を言っているのを知っている恭ちゃん先輩には 私が押し殺している気持ちを分かっているのだろう。 だから、そういう言い方をされるとなにも言い返せない。
私は、ちゃんとツナに対して自分の本当の気持ちを伝えてはいないんだと思わされる…。

「でもいいんです!私が勝手に好きなだけだから!」
「君のことなんて僕の知った話じゃないよ。ここに持ち込みさえしなければね」
「そんな冷たいこと言わないで聞いて下さいよ!私、恭ちゃん先輩にしか言えないんですから」
「手が止まってるよ」
「あ、はい」

再び私は恭ちゃん先輩の肩を揉む手に力を入れる。 すると突然、恭ちゃん先輩が私の右手を掴んだ。

「ごめんなさい。痛かったですか?」
「そんなんじゃないよ」

恭ちゃん先輩に手を掴まれて、動けないでいる私の方を恭ちゃん先輩はゆっくりと振り返って見る。

「…?」

なにも言わずに真っ直ぐに私を見つめてなにか言いたげな恭ちゃん先輩の視線に首をかしげると、学校のチャイムが鳴り響く。

「あ!もうこんな時間ですね!私、教室いかなきゃ、ツナ帰っちゃうかな」
「なら今日はもういいよ」
「やった!今日は優しいですね!」
「どうせ明日もあるからね」
「あー…やっぱりそういうことですか…」

ため息を吐くと、恭ちゃん先輩の手がゆっくりと私から離れた。

「それじゃ恭ちゃん先輩、私は今日はこれで!」
「言っておくけど明日、遅刻すると…」
「大丈夫です!遅刻厳禁。遅刻したら書類の量が2倍になるんですよね。分かってますよ!」

恭ちゃん先輩の言いかけた言葉を遮り、「お疲れ様です!」といい、いつものように挨拶を交わして私は応接室を出た。


「……早くやめればいいのに」

雲雀は小さく呟き、先程まで掴んでいた自分の手を見た。

――幼馴染みへの恋なんて、さっさとやめてしまえば良い。そうすれば全部奪って、彼女を離さず自分の物にしてしまえるのに…。

言えない言葉を押し殺し、今日もわざと彼女の背中を押した。
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