「だーいっきらい!ばかばかばか!」


うーん、馬鹿っていわれるのはこんなに苦しいことだっけ?


「馬鹿ってないだろ……少なからずとも俺より頭の悪い奴に言われたことにショック」

がりがりリンゴをかじりながらつぶやく。
こんなに味のしないリンゴは初めてだ。
おいしくない。

「うぎゃーばっかGを私に寄せるな!」
「ちっさいことは気にすんな」
「私はGが大嫌いなんだよォォオオォォォオ!!」

部屋の中はバカ絶好調だし。
もうむかつくぐらい絶好調だし。

「はぁー」
「なに?レヴィン喧嘩でもしたの?ねえしたんでしょ、だっさ」
「とりあえずお前にだけは言われたくないセリフだな。つーか兄弟喧嘩ばっかしてるお前にいう権利はない」
「兄弟喧嘩じゃなくて乱闘だから違うもん。どっちかがぶっ倒れるまデスマッチだもん」

そうかよ。
そんじゃバカマスター、あの書類の山で倒れてる弟君は尊い兄君の為にデスマッチを受けかつ仕事という暴力を受けたわけですか。
とことん理不尽だな。

「うっさい」
「とりあえずどっか行ってくれ。うるさいと思うなら」

ぷいっと立ち上がった偽創造神の背中を眺めながら考える。
近くにいたアイクがかじっていたリンゴを取り上げ切り、俗に言ううさぎさんリンゴに変えて渡してくる。
どうしてこうなった。

「……もう一つ剥いてやる。渡して仲直りして来い」
「……以外すぎるな」

黙々とできていくうさぎリンゴ。
そういやあいつはこれが好きだったっけ。
さらに剥かれたうさぎの群れごと押し付けられた。
おろおろして変色させてももったいない。何より。
折角きっかけを作ってくれたのだ。ありがたく利用させてもらおうか。
謝りに行こう。






「開けろよ、俺が悪かったって!」









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