薄桜鬼 現代で新婚なパロ設定です。苦手な方はごめんなさい。
お礼は3種類です。
一つの中に二人分のSSSが入っています。(短いです)
<2.こんにちはシリーズ>
~藤堂家の場合~
朝忘れ物がないようにチェックしたにも関わらず、平助はダイニングテーブルにお弁当箱を忘れていた。
買い物ついでに平助が働いている会社のビルまでやってきた千鶴はお弁当箱を膝に置きながら、会社のそばにあったベンチに座って彼を待っていた。
今日はとても良い天気だ。空をただボーっと眺めながら、千鶴は時間が過ぎていくのを肌で感じていた。これを渡したら、千鶴には主婦としての仕事が待っている。その一つ一つを頭に思い返しては、そう言えばと更にやるべきことを増やしていく。だが、今の一番の仕事は平助へお弁当を届けることだ。
そう言えば、学生時代にも平助はたまにお弁当を忘れていた。そのたびに走って買いにいっては玉砕することはままあって、そんなときは決まって千鶴のお弁当を二人で半分こした。それでもやっぱり平助には足りないようだったが、いつも美味しそうに食べてくれた。あの頃は誉めてくれることが本当に嬉しかった。だから、料理をすごく頑張ったのだ、平助に美味しいって言って欲しかったから。
結婚したけれど、今もその気持ちは一つも変わっていない。ただ平助の笑った顔がみたい、だから千鶴は平助が忘れてもお弁当を届ける。これから先、また忘れたとしても彼が笑顔を絶やさないように。
了
~土方家の場合~
「明日は燃えるゴミの日だ」
役所からのお知らせに目を通しながら千鶴は唸った。夜になったらゴミを集めなければ。土方家のゴミ出し当番は旦那である歳三の役目だ。仕事に行くときに、持って出るのである。
千鶴も出すと言っているのだが、土方はいつも譲らない。妙なところでこだわって、自分の仕事を決めてしまう。昔からそうだった。近所にすんでいる千鶴が朝ゴミ出しをすると、土方も家を出る時間が偶然一緒で、千鶴からゴミを取り上げて彼は自分の家の分と一緒に持って行ってしまう。千鶴はいつもそれを申し訳なく思いながら、後ろをついていったものだ。ゴミ置き場まで他愛ないお喋りをすること、それも楽しみの一つだったのである。それは千鶴が高校生になっても、彼が一人暮らしをして家を出るまで始めるまで変わらなかった。
ゴミ出しの日、彼と鉢合わせしなくなってすごく寂しくなった。ゴミを持って欲しいわけじゃなくて、「おはよう」の声が聞けなくなったのが想像以上に悲しくて、ゴミが妙に重く感じて、ゴミ捨て場までの距離が異様に長く感じた。
千鶴は彼を好きになった。色々なことが重なって、奇跡のような確率で千鶴は彼のお嫁さんになれた。本当にそれは嬉しいことだけれど、欲を言えばもう少しだけ近づきたい。否、もっともっとそばにいたい。だけど全部いっぺんに叶えて貰うのは欲張りすぎる。
その時千鶴は良いことを思いついた。今日帰ってきたら早速提案してみようと思う。もしかしたら良い顔はしないかもしれないけれど、そうしたら勝手についていこうと決めた。そういう遠慮のいらない相手にまでは、自分たちの関係は進んだはずだから。
了
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