あなたは味方



 持つべきものは、やっぱり親友よね。
 最近、つくづくそう思う。
 優しくてかわいい、あたしの親友は、いつだってあたしの味方で。
 どんな下らないことでも親身になって聞いてくれて、きちんとアドバイスもしてくれる。
 あたしとは正反対の、大人しくて優等生な親友。
 自分を表に出すのが苦手で、だから小学生の頃なんかはいつもあたしの後ろに隠れてた。
 高校生になった今では、さすがにもうそういうことはないけど。

「それは確かに、リョーマくんがひどいね」

 困ったように笑いながら、あたしの望む言葉をくれる親友は、やっぱり今でもあたしの一番の味方だ。

「ねぇ! 桜乃もそう思うでしょオ!? だって、リョーマが言ったのよ? 男テニのマネやれって! なのにさ……」

 あたしは同意されたことに勢いを得て、溜まりまくった不満をぶちまける。

 中学のときに出会った、あたしの王子様。
 親友とふたり、彼を見てははしゃいでいた頃は、あたしの気持ちはまだ恋とも呼べない、幼い憧れだった。
 どういうわけか、彼はあたしを好きになってくれて。あたしも、いつの間にか彼への気持ちを恋へと育てていた。
 親友は、あたしたちを祝福してくれた。
 彼女も彼のことを好きだと思ってたあたしは、最初、彼と付き合うのを躊躇ったけど。
 彼女には、他に好きな相手がいるらしくて。しかも、絶対に叶わないと判っていると言う。
 今はまだ、気持ちの整理がつかないって言ってるけど、いつかその相手のことを自分から話してくれるのを、あたしは待ってる。

 親友はあたしの言葉に笑い、頷き、そしてでも、最後にこう言った。

「でも、そんな自分勝手なリョーマくんのことが、朋ちゃんは大好きなんだよね?」
「――――もう、桜乃の意地悪」

 あたしがむくれたら、親友はくすくす笑って、あたしをぎゅっと抱き締めた。

「見てなさいよ。桜乃に彼氏ができたら、今度はあたしが意地悪してやるんだから」
「……大好きだよ、朋ちゃん」

 優しくてかわいくて、時々ちょっと意地悪な親友が、あたしを抱き締めたまま言う。
 あたしだって大好きよ、桜乃。
 ずっとずっと、あたしの味方でいてね。

 あたしは、親友の背中を、そっと抱き返した。
 



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