【素直になれない人で10のお題】
04: 喉の奥に溜まり続ける言葉で窒息するの(龍瞬)

恋人という関係になってからも、瞬は一度も言葉で気持ちを伝えたことがない。勿論、言葉で伝えたいと思ったことがないわけではない。龍馬がくれる分、瞬も何かを返したいと思う。与えられることは瞬にとって必ずしも落ち着くだけではなく、申し分なくて仕方ない時もある。
好きだ。
この一言なのだ。
確かに少しの気恥ずかしさもあるが、それを言うことは瞬には許されない。相手を悲しませず、また自分の決心を揺るがさないように、瞬は言葉を飲み込み続ける。
好きだ。
愛してる。
その一言が言えなくて、瞬はただ苦しさのあまり表情を歪めた。


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