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『テニプリ』小説『愛がいっぱい』

「おはよー」
「おはよう、英二」
「母さん、何か手伝うことある?」
「じゃ、目玉焼き作ってくれる?」
「オーケー。あ、姉ちゃん、目玉焼きどうする?」
 俺は目玉焼きが好きだ。とっても美味しいし栄養はあるし。目玉焼きならお手のもんだぜ。イェイイェイ。
 油をひいて卵を割ってフライパンに落とす。
「ラッキー。二個入り♪」
「英二が食べていいわよ」
「ありがと。母さん」
 姉ちゃんは別のでいいよね。――何か幸先いいような気がしてきたぞ。

 家族で朝ゴハンを食べた後、俺は青春学園へ向かった。
「おっはよー。大石」
「やぁ、英二」
 俺――菊丸英二――と大石は友達同士だ。
 ただの友達ではない。テニス部では黄金ペアとして有名なのだ。俺もいろんな相手とペアを組んだけど、大石とやっている今が一番楽しい。
「ねーねー、今日の卵焼き、目玉二個だったんだよ♪」
「それは良かったな」
 大石は笑顔になる。大石は優しい。だから、テニス部の副部長になれたんだ。青学の大石秀一郎と言えば、知っている人は知っている。
 やっぱりこいつと組んで良かった!
「有精卵だったらひよこが孵るかもにゃ」
「英二……それ、本気で言ってんのか?」
 大石はちょっと呆れているようだ。何だよぉ。俺だけのひよこ欲しいのに。
「大石は頭、卵っぽいよね」
「あぁ?」
 大石はちょっと頭に来たっぽい。でも、本気で怒ってる訳じゃない。しかし、何でこんな髪型なんだか……。
「でも、可愛いよ」
「可愛いって評判なのは英二の方だろ」
 んー……そうなんだけどねぇ……。
 嬉しいけど、ちょっと照れくさいんだよな。あざといとも言われてるけど。
 俺は何故か年下に懐かれるんだよね。同い年の友達もたくさんいるけど。そういえば、大石は同い年なんだよね。
 あ、でも、年下でも懐かないヤツもいるか。例えばおチビとか。
 噂をすれば――。
「おっはよ~ん。おチビ~」
「菊丸先輩……何スか。朝からハイテンションで」
「おチビが暗いだけなの!」
「暗くて悪かったっスね」
「ごめんごめん」
「英二、言っていいことと悪いことがあるぞ」
「菊丸先輩、大石先輩。もう気にしてませんので」
 おチビは名前を越前リョーマと言う。有名な越前南次郎の息子なんだって。すごーくテニスが上手いんだよ。
 ……ダブルスは苦手だけどね。おチビ、協調性がないからにゃあ……。
 そんなこと言ったらまた大石に怒られるかな。おチビはポーカーフェイスで、
「まぁ、いいっスけど」
 とか言いそうだけどね。おチビはクールなんだよね。年下のくせに。
 でも、一応俺達を立ててくれるので、俺はおチビが好きだ。
「なーにー? 今日も桃と来たのー?」
「ウィッス」
 おチビは桃の自転車の後ろに乗ってくる。おチビは体重軽いって言うけど、危なくないかな~。
 そのうち先生に注意でもされないかな? 心配だな。
 ――ま、いいや。朝練行くよ。
 テニスコートで皆は準備を始めていた。
「おっはよ~ん」
「あ、菊丸先輩だ」
「先輩~」
 堀尾達がやって来る。おチビと同じ一年生なんだ。俺も一年の頃はこんなに可愛かったんだよな~。俺、もう三年だもんにゃ~。
 後輩達は俺のこと好きみたい。あまり構ってやってないんだけどな~。
「……真面目にやれ」
 フシューと息を吐いてそう言ったのは、マムシ……じゃなかった。二年の海堂薫だ。
「おい、喧嘩売んのよせよ」
 海堂と同じ二年の桃城武が海堂の肩を掴む。俺らは桃って呼んでるけど。
「桃……お前こそ俺につっかかって来やがって……」
「何だとぉ、やるか?!」
「おう。かかって来い!」
 ――うわぁ、何か険悪な雰囲気。でも、いつものことだし。
 大石か手塚が止めるし。
「桃、海堂。仲良くしろ!」
 大石が注意した。ほらね。
「メンバーは揃ったな。よし、用意ができたら走れ」
「ほいほ~い♪」
 俺達は走り出した。俺、ランニングは得意なんだよね。
「負けないぞ~。おチビ」
「――俺だって」
 おチビは意外と負けず嫌いだ。青学のレギュラーは皆負けず嫌いだけどね。
「やぁ、英二。いい朝だね」
「あー、不二」
 不二は俺のクラスメート。長い付き合いだから何でもわかっちゃうんだよね。
 喧嘩も一度したことあるけど――いつの間にか仲直りしてたな。
「おチビ~。俺、不二と行くことにしたからにゃ~」
「ウィッス」
 ――おチビが答えた。
「あれ? おチビ、手塚のところに行ってる」
「越前は手塚に勝負を挑みに行ったんじゃないかな」
「なるほど。そっか~」
 それがわかるなんて流石不二! 伊達に手塚に恋してないにゃ。でも、これは内緒内緒。
 ま~、おチビ辺りにはわかってるみたいだけどね。俺もわかっちゃってるよん。
 手塚も不二のこと、気にしているけど、お堅い部長だから顔にはあんまり出さないんだ。
 でも、ふとした時、わかっちゃうことがあるんだ~。
 あー、熱い熱い。愛がいっぱいだね~、と思っちゃうよ。そんなとこ見ると。
「不二は手塚のとこ行かないの?」
「まぁ、手塚のところへはいつでも行けるしさ」
 これってノロケ? ノロケなの?
 む~、何か余裕って感じだにゃ。不二はいつもそうなんだよね~。
「俺より手塚と同じクラスになりたかったとか思わない?」
「思わないよ。英二も大事な友達だからね」
 友達か~。俺ら、ライバルで友達なんだよね。
 大石は他の皆とはまたちょっと違って――大石は相棒だからにゃ。黄金ペアに死角はないんだよん。
 ずっと青学の皆でテニスやってたいなぁ、と思う。大石は来年他の学校に移るみたいだけど。
 あ~、俺の周りには愛がいっぱい。この瞬間がきらきらきらきら輝いてるよ!



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