テイトにゃんことフラウの夏の一日 (インテ無配でした)


「はう~」

夏真っ盛りの今日、クーラ―も付けずテイトは部屋の一番涼しい場所でグッタリとダレていた。
暑さのせいで、耳も尻尾もたれている。
「暑い・・・でも夏だし・・・・」
仕方ないと諦めてひんやりとしている床に頬を付ける。
クーラーを付けろとフラウからは言われているが、扇風機の前を陣取りクーラーを決して使おうとはしないテイト。
フラウが居れば暑さに耐えかねクーラーが付くのだが、そのフラウは仕事中。
最初は部屋の中に入るか?と尋ねられたが邪魔になるのは嫌だと首を左右に振っていた。
「はう~」
何度目かのため息を零し、フラウの仕事部屋を見た。
「ふにゃうはまだ仕事・・・でも、今日は早く終わるって言ってた」
つまらなさそうな顔で呟き目を閉じる。
ピクピク
そのときだ、テイトの耳が大きく動く。
「誰か来た、この気配は」
身体を起こすと、玄関の扉が開く音が聞こえる。
「フラウはちゃんと仕事をしてるのでしょうか?」
「きっと大丈夫だよ」
そんな会話が聞こえてくると、テイトは玄関まで出迎えに行く。
「カストルさん、ラブラドールさん」
パタパタと走ってくるテイトを見た二人が笑顔になる。
「こんにちは、テイト君」
「こんにちは」
「こんにちは、ふにゃうに用事?」
コテンと首を傾げるテイト、その姿は二人をほっこりさせた。
「フラウの仕事も心配ですが」
「それだけじゃないんだよ」
カストルは自分の仕事も関係しているせいか、困った顔を見せ。ラブラドールは笑いながら手にしていた大きめの袋をテイトに見せる。
「?」
テイトの視線がジッと袋を見つめた。
だが見つめても中身が見えるわけでもなく、それでもテイトはジッと見つめていた。
「じゃあ、さっそくね」
ラブラドールがテイトの背中をポンと押し、キッチンに向かう。
テイトもそれを追いかけるようにキッチンへと足を向けた。
机の上に置いた袋をラブラドールが開くと、テイトはそわそわしながら何が出てくるのかを見つめる。
耳はぴくぴくと動き、尻尾はしたぱたと揺れる。
ゴトッ
ラブラドールが取りだしたのはペンギンの形をしたかき氷機。
しかし、テイトにはそれがどう言う物かわからない。
「カストル、氷取って貰える?」
「はい」
カストルが冷凍庫から氷を取り出し、ペンギンの中へセットした。
ガリガリガリ
「おおおおおお!」
砕けた氷が出て来ると、テイトの耳と尻尾がピンと立つ。
机に前のめり体制になり、ペンギンから出る氷を見つめるテイト。
「こ・これって何?」
カストルに視線を向けて尋ねると、カストルはこれがかき氷だと教えた。
「かき氷・・・知ってる。テレビで見た事ある」
「今年は猛暑だからね、テイト君が暑くてバテてるってフラウから聞いていたから。熱中症になったら大変だから」
「ありがとう」
にぱっと笑顔を見せると思わずカストルとラブラドールは見惚れるて・・・
「可愛い!カストル持って帰ってもいいかな?」
ギュッとラブラドールがテイトを抱きしめた。
「なら、私が持って帰りますよ」
「お前ら・・・人の居ないところで不審な事言ってんじゃねぇぞ」
ラブラドールの腕の中に居るテイトを引っぺがし、自分の腕の中に抱えなおしたのはフラウだった。
「ふにゃう、仕事終わったのか?」
ぱっと笑顔になり振り向くテイト。
「ああ、今終わったところだ。出てきてみれば騒がしわ猫攫いしようとする奴らがいるわ」
「猫攫いってひどいな~テイト君限定だよ」
ラブラドールが言えば、カストルも頷く。
その言葉に大きなため息を零したフラウは部屋のクーラーを入れる。
「たちが悪いわ、で何してたんだ?」
「かき氷作って貰ってたんだ」
尻尾を揺らしながらテイトは嬉しそうに答えると、フラウは机の上に目をやった。
「へ~いいもん作ってるじゃねえか」
「フラウも食べますか?」
カストルの問いに頷くと、いくつか置かれているシロップに目をやる。
メロン・イチゴ・レモンの三種。
「テイト君は何味を食べる?」
「メロンがいい」
メロン味のかき氷を貰いテイトは嬉しそうに食べ始めた。
パクリ
「冷たい」
一口放り込んだテイトがギュッと目を瞑り冷たさを体感している。
くしゃりとテイトの髪を撫でるフラウに、テイトはフラウを見上げた。
「美味いか?」
「うん」
コクンと頷くテイトに口元に笑みを浮かべるフラウだった。
涼しい部屋の中で、美味しいかき氷とフラウの腕の中で今日もテイトは幸せそうに尻尾を揺らすのだった。



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