そうだよ、そうだったんだよ。
俺はお前に「兄貴」と呼ばれて慕われるはずだった。
判らないことは全て教え、頼られて。
生まれて初めて頼られるはずだったんだよ。
寄り添われて。
アレは何だと聞かれて。
そして、俺はそれを一つずつ教えていくんだ。
お前は快活に笑って、俺に感謝して。
兄弟仲良く。
王子と俺とナッパとお前とで。
ずっとずっと暮らしていくはずだったんだ。

兄弟一緒の未来を夢見て。
お前が飛ばされた青く輝くチンケな星に行ったんだよ、俺は。


「お笑い種だなぁ、ラディッツ」
「・・・あんたまだ転生しないのか」
「そんな冷たい事言うなって」
「消えてくれよ」
「お前のその甘ったれた考えを消しちまえ、ガキ」
「あんたから見たら俺はいつだってガキだよ、親父」

・・・ほぉんと。
笑えちまうぜ。
こんなはずじゃなかったと一人涙を流して。
想い描く弟瓜二つの父親に涙を拭ってもらうなんて。


嗚呼、でも。
俺はやっぱりお前と少しでもいいから生きてみたかったんだよ。

「カカロット」



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DRAGON BALL*ラディッツからカカロットへ
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