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 お礼小説 … 坊カイ←佐原



今日は仕事から上がる時間がいつもより早かった。
お客も少なかったし、暇だったけれど・・・まぁ忙しいよりは全然そっちの方がいいし。俺の気分は結構良くて、自然に笑みが浮かぶ。


「まだカイジさん起きてるかなぁ?」


時計を見ればまだギリギリで起きてそうな時間。
俺はコンビニでお酒を2本だけ買うと、そのままカイジさんの家に向かった。
カイジさんの家が見えて来ると、部屋の窓が確認出来る。カーテンが閉まっていて起きているかわからない。カーテンの隙間から、淡い光が見えるような、見えないような。
とりあえず行ってみないとわからないと考え、そのまま部屋の前まで来た。


「起きてるといいけど・・・ん?」

「・・・・・・、・・・」


部屋の中で小さな物音と声が聞こえたような気がした。
気になって玄関のチャイムを押す前に、ドアに耳を押しあてる。


「ぁっ・・・う・・・」

「?」

「・・・・・・はぁ、・・・ん」

「ほら、・・・がいいんだろ・・・」

「あ!・・・う・・・さいっ」

「っカイジさん?」


耳を澄ませば聞こえて来る、なにやら如何わしい声。ドア越しであるため、よく耳を澄ましても何を言っているのかは聞き取りづらい。
しかしカイジさんの気持ちよさそうな声と、違う男の声・・・まさか、部屋の中ではあーんな事や、うっふんな事になっていたり・・・


「いやいや、まぁ待て佐原。よく考えろ・・・!」


自分に言い聞かせるように呟く。
そう、俺はそんな単純な考えはしない。騙されないっ・・・!これはそういう風に思って立ち去ってみるが、実はマッサージだった、耳かきだったとかいうお決まりパターンの一部・・・。俺はそんな簡単なひっかけに惑わされない!
それにもし俺がカイジさんの耳を掃除してあげるとしたら、俺の膝の上で気持ちよさそうに震えちゃったりとかして。


『さ、はら・・・もっと・・・』

『ん?なんスかカイジさん』

『あっ!も、もっと・・・奥・・・』

『んーここがいいんですか?』

『!そこ・・・気持ちいい・・・』



「なんてね!なんてね!カイジさーん!!俺にも耳そ・・うじ・・・」




「!あっ・・・ちょ、かず・・・や・・・はぁっ、はぁ・・・」

「ん、なに・・・」

「今誰か、の声・・・あぁっ」

「キキキ、気のせいじゃね?」

「あっ、あ、ちょ・・・そんなに動くなっ・・・!」



俺の思考停止。

なに、この目の前で繰り広げられてる××××な光景。え、耳掃除でした!的な・・・その・・・ありがちな、そんな感じじゃなかったの?
カイジさんを組み敷いて、腰を揺らす男は俺に気づいてニタリと笑みを浮かべる。何勘違いして入って来てんの?ばーか・・・みたいな視線だ。


「っカイジさんの馬鹿っ・・・!」


心の中で小さく叫んだ俺は何も見なかった事にして、律義にもドアを静かに閉め(だって夜だし)その場から走り去る。いや、見なかった事になんて出来ない。だってカイジさんの表情は…下半身にクるものがあった。その表情をさせているのが俺じゃないのが悲しい現実だが。

膨らむ下半身を押さえて走り去る俺、かっこ悪ぃ。

でも俺はカイジさんを諦める気なんてない。絶対、絶っっっ対に!










「な・・・なぁ佐原、」

「なんですかカイジさん」

「いや、なんでそんなに見てくるのかな・・・って」

「気のせいッスよ。それより今夜カイジさん家行きますから」

「はぁ?なんでだよ」

「絶対に行きますからね!!」


頑なに言う佐原に、カイジはただ首をかしげていた。


(「なんでそんなに家に来たいんだよ?」「カイジさんと居たいからですよ!」「い、意味わかんねぇ事言うな馬鹿!」)


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特に落ちはないという・・・。坊カイ←佐原でした。こんな関係も好きです(笑
バイト終わって2人でカイジの家に帰ったら、坊ちゃんが普通に居ればいいと思います。そして佐原絶句・・・みたいな。
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