拍手ありがとうございます! 軍務省のモブ女性職員達の会話をお楽しみ下さい。 *** ある軍務省モブ職員たちの会話⑦ *** ◆ 軍務省 夏の怪談 「ねえ、尚書閣下は亡くなられたんだよね」 「…うん。どうして?」 「あのさ…ここんとこのファイルの順番さ、よく尚書閣下が並べ直してた場所があるんだけど」 「うん」 「並べ直されてる……」 「ちょっ…やめてよ。もともと直ってただけでしょ?」 「ううん…違う。私、ちがう並べ方したもん…」 「じゃあ、他のだれかが並べ替えただけじゃない?」 「うーん……」 「え、尚書閣下って、亡くなられたんですか?」 「そうだよ。皆でお葬式したよ?」 「え?でも私、昨日、尚書閣下見ましたよ?」 「えっ!?」 「どこで!?」 「昨日の夜、私が残業してたとき、通路で歩いてました。『お疲れ様です』ってご挨拶しましたもん」 「見間違いじゃない?」 「ええ~。でも、あの背格好で、目が赤色にチカチカする人、尚書閣下以外にいないと思いますけど」 「……うち、閣下のほかに義眼の人、採用されたとか…?」 「聞いたことない…」 「……ユーレイになっても働いてらっしゃるんですかねえ?」 「軍務省、夏の怪談…?」 「ひいい~!やめて!」 「ちなみに、どこの通路?」 「えーと…あ。ちょうど、この部屋の近くでしたよ」 「……ファイル並べ直しにきた?」 「どんだけ…」 「尚書閣下が心置きなくヴァルハラに行けるよう、ちゃんと並べるようにしなくちゃ…」 |
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