◆◇◆ happy Halloween'2012 ◆◇◆




10月末日。

日本ではあまり馴染みがない、イベント当日。
関東のとある海辺にある、夢の国にて。



10月31日 ‐Trick or Treat‐

 ~櫻木 の場合~







「・・・・・・・・・・・・・・・オレ、多分どの乗り物もアウトだな・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・身長制限、クリアはしてると思うけど・・・・」
「クリアしてても、超え過ぎだろ?確実に足 引っ掛かると思うから、乗るのは無理」


可愛い彼女のお願いでも、残念ながらこれはきけない。

【まさか、こんなトコに連れて来られるとは・・・・】


「猩影に、行かねぇの?」
「あ~・・・・オレはパス。乗る系のアトラクション、確実に全滅だわ」


顔の前で×印を作って見せれば、友人達は苦笑した。


「やっぱ無理?」
「無理じゃね?確実に足、出るだろ」


そんなやり取りを見て、彼女の眉がハの字になった。
顔を覗き込もうとするも、その顔は覗き見る前に俯いてしまう。


「・・・・・・・・・・・・・・・ごめんなさい・・・・・」
「別にこの雰囲気だけでも、楽しいけど?こういうトコ、来た事ねぇし」


自分だけが楽しんでしまうと思っての謝罪だろうけど、そんな事はない。
彼女の楽しそうな姿を見るだけでも、此方としては楽しいのだから。


「オレはこの辺見てるで良いけど、は乗りたいのあるんじゃねぇの?」
「猩影くんが一緒じゃないなら、乗らなくていい・・・・」


しゅんとしてしまった彼女をどうにか元気にしたくて、オレはの両頬を両手で包み込み、顔を上げさせる。


「ならこの中、案内してよ。オレ、此処来たの初めて」
「うん!」


ふわりと綻んだの今日初めての笑顔に、オレの頬も緩んだ。
それを見てた友人連中が、此方に向かってひらりと手を振る。


「適当に楽しんだら、携帯に連絡入れるな~」
「お~」


友人の気遣いに心中で手を合わせ、と手を繋いでオレ達も中へと歩き出した。







初めての夢の国は、なかなか面白いものが溢れていた。

オレの質問に一生懸命 答えるが、ある物を見つけて【あっ】と立ち止まる。


?」
「あれ、ハロウィン限定なの!」
「限定?」


ある場所で見付けたカボチャ型の入れ物を首から下げた人間に、は嬉しそうに走り寄った。
ゆっくりと近付きながら遣り取りを見てれば、両手を差し出したが笑いながら口を開く。


「お姉さん、Trick or Treat!」
「Happy Halloween」


何かを掌に乗せられたが、嬉しそうに戻って来る。
首を傾げるオレに向かって、その掌が差し出された。


「はい。猩影くんにあげる」
「コレって、飴?」


こくりと頷くに、オレはふと悪戯を思い付く。
掌からその飴を取り、オレはの顔を覗き込んで口を開いた。



Trick or Treat?

「・・・・・・・・・・・・・・・・・今の飴じゃダメ、なの?」
「だってコレ、言う前に貰ったし?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「さて、悪戯しにあっち行くか」
「!?(あっちって人いないんですけど!)」





END

本当は去年upしようとして、途中で放置してたネタをサルベージ!
だって飴をくれるキャストさん、居るのか良く判んなかったからさ!!(>_<)

うん、猩影のした悪戯に関しては、皆様のご想像にお任せしますv(≧∀≦)/
次のぬら孫はスノドロ、頑張んないと♪


Back Illustration by.Simple Life様

12.09.30.up





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