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とある超電磁砲と幻想殺し ver.ライアル
出会いは最悪だった。
月並みなセリフなのは重々承知しているが、あえて言わせてもらおう。
助けてくれなんて頼んでないし、そんなもの必要なかった。
だってそうだろう。学園都市最強の名は、伊達や酔狂で与えられるものじゃない。
その自信はあったし、それだけの力も自覚していた。
そう、その瞬間までは。
「さっきから、好き勝手いってくれるな」
「え、あの、え!!?」
焦ったような声が聞こえてきたが、そんなものは無視だ。
あれだけ人のことを馬鹿にしといて、このまま生きて帰れると思うなよ?
「ちょっっ、ちょっと待って・・・!」
男が一歩後ずさる。だが、だからどうした。
バチバチと、弾ける。そんなことで逃げられるほど、俺の電撃はあまくない。
「くたばれぇぇっ!!」
渾身の叫びとともに、コインを一枚、ぶっぱなした。
何もかも、それだけですべてが終わる―――その、はずだった。
「・・・な、に」
足元には、ついでとばかりに巻き込んだ馬鹿な不良どもの姿。電気に焼かれた哀れなそれらは、まったくのいつも通りだ。
問題はそこではなく、目の前。直撃を受けたであろう、そいつ。
「あ、あ、あぶなかった・・・」
どうして、この男は平然とその場に立っていられる。
当然のことだがもちろん全力でやったわけではなく、殺さない程度に手加減はしていたつもりだ。
けどだからしかし、それが何だっていうんだ。
「おまえ、なんで・・・」
「はぁ・・・君、強いんだね。でも、丸腰相手にそれは酷いよ」
全くの無傷で、情けない面をしながら俺に抗議してくる。
無傷。そんな馬鹿なことがあってたまるか。
アレを真正面から受け止めるなんて芸当は、それこそ俺同様に学園最強の名を冠する者にしか不可能だ。
その不可能をやってのけたこいつは、いったい何者なんだ。
自然体に力がはいり、びりびりと電気が走る。
そんな俺に気がついたのか、奴は引き攣った笑みを浮かべた。
「ああああ、あの!おいら、もう行きます!」
「あっ、おい!待て!!」
「夜更かしもほどほどにね!いくら強くても、危ないから!」
「が・・・ガキ扱いすんじゃねぇぇ!」
猛ダッシュで走り去る背中めがけて、特大の電撃を放つ。
その気配を察したのか、奴がくるりと振り向き、その反動なのか右手を突き出すような格好をとった。
それは本当に一瞬で、まったく冗談としか思えないような光景。
電撃が、消えた。
これは悪い夢か、はたまた幻か。
そのどちらでもないことは明白だが、現実だとはとても思いたくなかった。
ゆっくりと脳内が活動を始めたときには、当たり前ながら奴の姿はどこにもなかった。
「・・・ホント、何者だよ」
呟きは、ただ闇のなかに吸い込まれていく。
このときの男が学園でも最低の「無能力者」だと知るのは、そう遠くない未来の話である。
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