「おはよう諌名ちゃん」
 目を開けた諌名にそう告げると、諌名はぼうっとした様子で頷いた。
 唇が微少に動く。
 おはよう貴臣、と言ったようだ。
「おはようのちゅーは?」
 冗談のつもりで笑いながらそう聞くと、諌名は相変わらず寝ぼけた顔で、うん、と頷いて、貴臣の頬に口づけた。
「え」
 笑顔が、ひきつる。
 思考停止した貴臣にそのままずるずると寄りかかって、諌名は再び目を閉じた。
 貴臣、ベッド連れてって。眠い。
 そう呟いたのが聞こえて、ようやく頭が再稼働。
「あ、うん、いいよ」
 別に誰も見ていないのに努力した平然を装って、貴臣はテレビを消して諌名を抱き上げた。こてん、と力が抜けている諌名を直視できずに、寝室へ向かう。
 たまにこういうことをするから油断ができない。
 棚に置かれた鏡に映った自分がどうにも赤面しているように見えて、貴臣は苦笑した。
 阿呆か。
 今更、こんなことで。
 ベッドに寝かせると、諌名は細く目を開けた。
 また、小さく口がひらく。
 ありがとう、と言ったようだった。
「どういたしまして」
 貴臣の枕に顔を埋めて、諌名はそのまますやりと眠りに就いた。

(省略)


ディスプレイ 助走をつけて なぐりたい
こいつらのこういうショートショートは総計192ページくらいあるのですが(1200字詰めで)、アップロードする気になりません(本編と関係がなさすぎて)。






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