誰のためだと思ってる?
部活で遅くなって、どれだけ疲れていても。 辞書を片手に一生懸命次の授業の部分を和訳していくのは。
自分のため、だなんて、思わないんだろな・・・。
「わっり!今日も当たりそうなんだよな〜、和訳見してくんねぇ?」 「いいけど、汚くしないでよ?」 「わ〜かってるって」
英語の授業の前に必ず起こるこの状況。 英語が苦手な彼にとっては苦痛以外の何者でもないこの時間。 それをわかってるのか、先生はしょっちゅう切原に当てる。 そのため、彼は大抵私のノートを写しに来る。 席が隣りになったときに見せてあげた時から、ずっと。
だから、それ以来私は英語だけはいつも予習していくようになった。 そうすれば、切原は私を頼ってくれるから。
「な〜んか、視線を感じる」
ノートを写していた切原が突然そう言って顔を上げた。
「俺の顔、なんかついてたりするワケ?」 「え、そんなことないよ」 「んじゃあ・・・俺に見とれてた」
その言葉にドキッとした。 どうしよう、実は気持ちバレてた? 困ったな、なんて言おう・・・。 そう必死に考えていると、切原は更に続けてこう言った。
「な〜んて。そうだったらいいなーって思っただけだから、そんな気にすんなって」
え、それって。
それって、そういう意味・・・ということでいいんでしょうか。
切原を見ると、その顔はなんだか赤くって。
やっぱり、そういう意味、なのかな。
そう思ったら私まで顔が熱くなってきて。
思わず、こう答えていた。
「見とれてた。・・・って言ったら?」
すると切原はニヤリと笑って。
「今日からは、『切原』じゃなくて『赤也』って呼べよな」
そう言って、私の頭を撫でた。
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英語といえば赤也でしょう(笑)中途半端ですみません・・・。 楽しんで頂ければ光栄です。 拍手、ありがとうございましたv
Kirsche管理人:愛美・もも
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