珍しく部活がない放課後。





初めて彼氏の家にお邪魔した。









・・・しかし彼は、私よりも愛犬に夢中。











そりゃね、付き合ってまだ1ヶ月ちょっとだし、ご家族だっている訳だし、それにほら、まだ明るいし?



何かあるとは思ってない、いや思わないようにしてたけど。



せめて、せめてファーストキスぐらい・・・!!







そんな私の心の内なんて全く知らないコイツは愛犬と楽しそうにじゃれている。



初めて見たよ、そんな顔は。



あーあ、犬相手に本気でヤキモチ妬きそう。







そんな事を考えてたら、突然おでこをこづかれて。





「なーにしけたツラしてんだよ?」





誰のせいだと思ってるのよ?





「可愛いね、犬」





そう言うと、奴は嬉しそうに笑った。





「だろ?最近部活とかであんまり構ってやれなかったからよ。コイツも余計にじゃれてくるんだよな」



「私も犬になりたいなぁ」



「・・・は?何言ってんだよお前」



「だって、そしたら亮にもっと構ってもらえるもん」





可愛い彼女ほっといてさ、と呟いてみせると、奴はすまなそうな顔をするどころか大笑い。





「ちょっと!何笑ってるのよ!」



「はは、悪ぃ悪ぃ。だって犬にヤキモチかよ、って思ってさ」



「それだけ私をほったらかす亮が悪い」





ふん、とそっぽを向いたはずなのに、後ろから伸びてきた手にいとも簡単に向きを戻されて。





「悪かったって。機嫌直せよ、な?」





と言う亮の顔はやっぱりかっこよくて。





「・・・じゃあ、今からはいっぱい構ってよね?」





そう言ったら、「しょーがねぇな」という亮の声と同時に降ってきた、優しいキス。





「亮・・・」



「あー、少し離れろ。これ以上くっつかれたら俺も抑えきかねーんだから」





と、今度は奴がくるっと後ろを向いてしまい。



でも、耳まで真っ赤になってるのが可愛くて、嬉しくて。





後ろから、思いっきり抱きついた。













拍手では初宍戸。

宍戸が犬ばっかり可愛がって彼女ほったらかしだったのは、意識した瞬間に抑えが効かなくなるのを分かってての事だと思います。

うん、きっと彼はそういう子。

でも最終的に再びくっつかれて・・・さぞかし大変だったでしょう宍戸(肩ポン)



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Kirsche管理人:愛美・もも







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