*もしも、燐と雪男が幼少期に引き離され、別々に暮らしていたら、な妄想

*燐はメフィに、雪男は藤本に育てられた設定

*書きたいとこだけ書きなぐったので、フィーリングで読んでください



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「燐、とうとう君も高校生だ。弟くんも今日からこの学園に入学です。知ってますか? 彼、入試トップなんですよ」
「そうらしいな。こないだジジィが自慢してった」
「――君はもう力を制御出来ている。そう恐れることはない」
「わかってる」
「ならばもっと嬉しそうにしたまえ。約8年ぶりの再会なのだから」


 メフィストの言葉に返事をすることなく、燐はただひらひらと舞う桜の花びらを見ていた。

 八年ぶりの再会が嬉しくないわけじゃない。嬉しいと思っている。
 だけど、そう思うのと同時に雪男に会うのが怖かった。
 過去の自分がしてしまった過ち。
 もう大丈夫だと、メフィストはいう。メフィストと同じくずっと見守ってきた藤本も大丈夫だと燐の肩を叩いた。
 安心していいのだと。もう二度と同じことは起きないだろう、と。
 自分の力を制御できるようにはなった。雪男も強くなった。
 だからこそ、再会が許された。
 しかし、本当に大丈夫なんだろうか。

 待ち望んだはずの再会が、怖くてしかたがなかった――


******


「兄さん…?」
「おー、久しぶりだな。うわ、俺よりデケェじゃん」
「いつまでも兄さんの背中に隠れていられないからね」
「そうだよなぁ。祓魔師になったんだっけ?」
「うん」
「じゃ、もしも俺が正気を失うようなことがあったら頼むわ」
「そんなことなる前に止めてあげるよ」
「そっか。それは頼もしいな」

 そう笑った兄さんがすごく、遠い存在に思えた。


******



『ねぇ、とうさん。にいさんはどこ?』
『兄さんはもうここには帰ってこないんだ』
『にいさんにあいたいよ』
『会えるさ。今は無理でも、雪男が大きくなったら』
『ほんと?』
『あぁ。だけど、そのためには兄さんを守れるように強くならなきゃいけないぞ』
『ぼくがにいさんをまもる…』
『頑張れるか?』
『うん!』

 幼い頃、急に引き離された兄さんに会いたい一心で、僕は祓魔師を目指した。
 兄さんに会えるから。兄さんを守りたくて。
 また兄さんと一緒に過ごせると思って。

 それなのに。

『もしも俺が正気を失うようなことがあったら頼むわ』

 兄さんの言葉が重く圧し掛かる。
 僕は兄さんを守りたくて強くなったのに、どうして兄さんは―― 






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