土産だ、と渡されたのは箱に入った菓子だった
「Polvoron」と箱に表書きされたそれは、スペインでは良く知られたもので
シュラもまた幾度か口にした記憶がある
「何でまたこんなものを?」
「ん?たまたま入った店で売ってたんだ、祝いの席で振舞うと聞いたんだが」
ある程度は日本語での会話もできるが、早口だったので聞き取れなかったんだ、と付け加える
「そうだな、クリスマスや年明けの時なんかに…あとは…」
少し考えるような顔をしたシュラを見てアイオリアは首を傾げる
「いや、まぁ…それこそ色んな祝いの席で、ということなんだが」
べつにそれが不都合というわけでもない間柄だが、少し照れがあるとも言えなくない
「そうだ、これを食べる前に『ポルボロン』と3回唱えると幸運が訪れるといわれているんだ」
そう言って箱から出した菓子を幾つか掌に載せてやる
と、そこにアイオロスとデスマスクが連れ立ってやってきた
「珍しい組み合わせだな」
「任務の都合というやつだよ、そうでなくても割りと話は合うんだけどね」
驚いたようなシュラにアイオロスは笑みを浮かべて答える
「これ、シュラの故郷では食べる前にこの菓子の名を三度唱えるといいことがあるそうだ」
「知ってるぜ、あれだろ?婚礼の祝い菓子」
シュラに渡されたもののうちのひとつを手渡しながら、アイオリアが告げた言葉に
デスマスクは「シュラもなかなかやるなぁ」と笑いを漏らす
その後、鬼気迫る形相でシュラに詰め寄るアイオロスを止めるのに
アイオリア(とデスマスク)が大変な労力を使ったことは言うまでもない



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