拍手ありがとうございました。
現在のお礼は以下の5種類でランダムに表示されます。
【食伊/ちょこへ/木勘/竹くく/孫さも】
以下の文章はちょこへです。
-----------------------------------------------
何をするわけでもなくただ見つめあう。口を開くのももったいない気がして、ただその瞳がこちらを映すのを見ている。頬杖をついて見上げるようにこちらを見てくる小平太の視線は、どこか年よりもだいぶ幼く見えてかわいいだなんて思ってしまう。
なんとなく照れ臭くなって、緩やかに視線を落として、そのふわりとした髪の毛を撫でるとくすぐったそうに小平太が肩をすくめた。大体が暴君などと呼ばれている男には不釣り合いな気もするけれど、花が綻ぶように柔らかな笑いが好きだった。心の表面を撫でて波紋を呼ぶ笑い方はこちらの心臓にもくすぐったい感情を呼び起こす。
「もっと」
くしゃりと一撫でして腕を離すと小平太からそんな言葉が漏れる。その言葉にもう一度撫でてやるけれど、そうすると今度は「違う」と言って頬を膨らませた。
「……もっと、なんだ」
だから言葉の続きを促す。そうすると小平太はまたすぐににっこりと笑って、「もっと見詰めて」という。
「長次の目、好きだ。だからもっと、ほしい」
紡がれた言葉に導かれるようにそっと視線を合わせてやる。そうして何も言わずに見つめ合っているのは少しだけ恥ずかしさを伴うのだけれど、一度掴まえた視線を小平太が簡単に逃してくれるわけもない。見詰められているのは自分の方ではないのか、と思いながら、その瞳に映る自分が穏やかな表情をしていることにどうしようもないくらいの幸福を感じるのだ。
-----------------------------------------------
5、見詰めて
capriccioさまより「目の色五題」をお借りしております。
|