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1. 「行って来ます」 その一言と共に玄関の扉を開いて、一歩外へ踏み出す。 今日の天候は快晴だ。雲ひとつない、青く澄み切った空が世界を覆っている。 こんな天気の朝は、気分が良い。自然と笑みがこぼれた。 手に持った鞄を、肩に掛けなおして、また一歩・・・ 「おはようございますっ、アリス!今日もいい天気ですねっ」 ・・・踏み出す前に、大きなため息がこぼれた。 「・・・何で此処に居るの、ペーター」 一気に気分が急降下だ。早くも家の中へ戻りたくなってきた。 「何でって、あなたと一緒に登校したいからに決まっているでしょう?」 今朝の空に負けないくらいに清々しい笑みを浮かべるストーカー・・・間違えた、生徒会長。 「・・・」 無言で彼の前を通り過ぎ、一目散に駆け出す。 「ちょっと、アリス!せっかく迎えに来たのに置いて行くなんて酷いじゃないですか!」 そのあとを、ペーターもバタバタと追いかけて来る。 「迎えなんて頼んでいないし、“一緒に登校しましょう”なんて約束もした覚えないわよ! 大体、私の家とあんたの家は学校を挟んで反対側にあるじゃないの! わざわざこっちまで来なくて良いから!それも毎朝毎朝! 普通に一人で登校するか、他の人と登校したら良いじゃない!」 「大した距離じゃありませんし、それくらい、何の面倒にもなりませんから、気にしないで下さい。 それに、あなた以外の奴なんかと登校したって楽しくもなんともありませんし、逆に苛々するだけです。 これからもずっと一緒に登校しましょうね、アリス」 「お断りよ!」 気づけば、いつの間にか私たちは並走する形になっていた。何だ、この図は。 「あれ、朝っぱらから二人で何してるんだー?」 どちらもスピードを落とさないまま走り続けていると、横から声が聞こえてきた。 「・・・エース」 「おはよう、アリスにペーターさん。学校まで競走とか?」 そう言いつつ、ペーターとは反対側の私の隣を走り出したのは、いつも笑顔で爽やかな剣道部部長。 「いや、何でナチュラルにまざってるのよ!?」 「そうですよ、何であなたまで一緒に走ってるんですか! 邪魔なので消えてください、今すぐ。アリスも僕と二人きりで仲良く登校することを望んでいるんですから!」 「これっぽっちもそんなこと望んでないから、まずはあんたが消えなさい。 ・・・エース、別にこの状況は学校まで競走してるとかそんなわけじゃなくて、 元々このストーカーから逃げるために走っていたわけで」 「逃げる、って・・・既に追いつかれてるじゃないか」 「いやそうなんだけど、でもまだ逃げられるかもしれないと思って今も走ってて・・・ん?あれ?」 考え始めたら頭がこんがらがってきた。走っているせいで余計に思考が働かない。 「まあまあ、細かいことはいいじゃないか。このまま三人で学校までのランニングを楽しめば・・・」 「何でそういう結論に至るのよ!?」 男子高校生二人と女子高校生一人、三人が並んで走る(しかも全速力)姿は、 はたから見れば非常に奇妙な光景であっただろう。 周りをゆっくりと歩いている生徒たちの注目を集めている気がする。いや、実際に集めてしまっている。 「あのっ、走るなら走るで構わないからっ、離れて走ってくれるかしら?」 息が切れてきた。家からずっと走りっぱなしなのだから、当然の結果だと言える。 「嫌です、離れたくありません!ただでさえ学年が違って、学校内じゃほとんど一緒に居られないのに! 登校中でさえ離れていろだなんて、あまりにも酷ですっ! 僕はあなたとずっと一緒に居たいんです、本当は、四六時中片時も離れずに居たい! 登校中も授業中も下校中も・・・いいえ、本当は家に帰ってからもずっとずっと」 「あーはいはい、もういいから」 これ以上喋らせると、長ったらしい上に電波な妄想が始まる。 「・・・じゃあ、せめて走るのを止めましょうっ。おかしいから、絶対これおかしいから!」 「えー?おかしくなんかないよ。朝から学校まで競走なんて、まさに青春!って感じの図で良いじゃないか。 それに、もうすぐ学校だぜ?せっかく此処まで来たんだから、最後まで競走しなきゃ勿体無いよ」 「こんな、朝っぱらから汗だくになるような青春はいらない!」 ・・・駄目だ。この二人は離れるつもりも、歩くつもりも、全くないらしい。 ぎゃあぎゃあ騒いでいるうちに、校門が見えてきた。 拍手有難うございました! タイトル、考えてはみたんですがどうにも今良い感じのタイトルが浮かばず・・・ このままだと「アリスインワンダフルワンダー通学路」になるので・・・(非常にダサい) 1話目はアリス+ペーター生徒会長とエース剣道部部長でした。 ちゃんとその設定は生かされる予定ですので無駄な設定ではないです!多分! ちなみにアリスは高校2年生、ペーターとエースは3年生設定です。 何でアリスは敬語を使っていないのかというと・・・ 二人が敬語なんて使わなくていいよとか言ったのかもしれません。 ・・・冗談です。本編の雰囲気を維持したかっただけです。 でも先生相手にはちゃんと敬語になると思います。 ・・・書き上げてから思ったんですけど、ベタですよね、この話。(今更) ・・・今回のテーマは「ベタ・王道・よくありそう」でいきます。 |
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