淵「……で？」

惇「……」

淵「何でここまで悪化しちゃったのさ」

惇「……孟徳が謝らないからに決まっているだろ」

淵「惇兄が謝れば済む事じゃん」

惇「何故俺が謝らねばならん！！ あいつが全て悪いのだぞ！？」

淵「でも殴る事はなかったと思うな」

惇「うっ」

淵「大体、いつもの事じゃんか。殿が女と遊ぶとか。女好きで、妾が沢山いるから仕方ないだろ」

惇「でもあいつは……！ 折角俺が一緒に酒を飲もうと誘ったのに……それなのに、あいつは、それを忘れて、女とぉぉぉ……！」

淵「あーはいはい。それはもうわかったからさ、とにかく早く仲直りしてくれよ。惇兄達の事でこっちはヒヤヒヤしてんだ。もういっぱいいっぱいだ……」

惇「……すまん」

淵「謝るなら仲直りしてくれ」

惇「……わかった。だが、どうすればいい？」

淵「まずは惇兄から殴った事を謝るんだ。そうすれば、殿も謝ってくれるだろうさ」

惇「……」

淵「惇兄」

惇「……わ、かった……言う通りにする……」

淵「よし！ ちゃんとやれよ、惇兄」

惇「すまないな、淵。迷惑かけて。じゃあ俺は行く」

淵「あぁ、またな惇兄！」


　バタン

淵「…………さってと、次は……」


　コンコン




操「夏侯淵、ちょっといいか」

淵「ええ、いいですよ」

操「……先ほど、夏侯惇が出て行ったが……」

淵「『まだ怒っていたか？』って言うのは無しで」

操（グサッ）

淵「俺に聞かないで、惇兄に直接聞けばいいじゃないですか」

操「直接聞けたら、苦労はせん……」

淵「……まぁ、これだけは言っときます。惇兄も反省してますよ」

操「……本当か？」

淵「嘘は言いませんよ。こっちだって、早く殿と惇兄が仲直りしてほしいんですから」

操「……」

淵「ほら、早く追いかけて謝ったら如何です？」

操「……迷惑かけたな」（すぐに立ち上がって部屋から出ていく曹操）


淵「……はぁ～やれやれ。苦労する殿と従兄だなぁ……。ま、別にいいんだけどよ」

おわり