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タリウスが宿屋に戻ると、自室の前の廊下に書籍や地図といった類いのものが何冊も積み重ねられていた。

「片付けものか?」

「うん、おねえちゃんが要らなくなった本を古本屋さんに出すって言うから、ついでに僕も棚の中を整理することにした」

「そうか」

ユリアはともかく、シェールが自分から率先して片付けをするとは珍しい。どちらかと言えば、息子は散らかし癖があり、これまで幾度となくそのことで雷を落としてきた。

「ねえ、これみんな処分して良い?おねえちゃんには、さっき見てもらったんだけど」

「ああ、そうだな………」

息子の言葉に、タリウスは改めて書籍の塔に眼をやった。見るからに難解な、異国語で書かれた書籍群をやりすごすと、今度は絵本や古くなった教科書などが眼に飛び込んで来た。ざっと見たところ、特に問題はなさそうである。

「って、オイコラ」

と、タリウスの視線がある一点に釘付けになる。子ども向きの絵本の束の上に、さりげなく置かれたのは、子供用の折檻道具である。

「一応、おねえちゃんに相談したら、もう要らないんじゃないかって」

「ユリアが?」

このパドルを必要とする聞き分けのない子供が、我が家にはもうひとりいる。

「それを決めるのは、お前たちではない」

「で、でも!僕もう子供じゃない」

「大人だろうが子供だろうが、とうさんの言うことが聞けないなら鞭だ」

「ええーっ?!」

言いながら、タリウスがパドルを拾い上げると、シェールがあとずさり、それと同時に反対側の部屋からガタンと物音が聞こえた。

~Fin~ 2022.5.4 
今夜が楽しみですねw



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