拍手をどうもありがとう♡

「ところで、私の推薦状ですが、どなたが何を書いたかご存知ですか?」

一応の落とし所を探り当てたところで、ユリアは昼間の疑問点について、口にした。

「内容まではわからないが、書いたのは恐らくミルズ先生でしょう。外部に出す手紙の多くは、統括の名前で出しはするものの、中身はミルズ先生が書かれています。書き上がったものを統括が確認して、問題なければサインを頂く流れに」

つまり、問題があれば、それが解消されるまで幾度となく書き直さなければならないということだ。

「そうでしたか。でもそれでは、主任先生が大変ですね。お一人では尚のこと」

「訓練生絡みのものは、時々私が書くこともありますが、なかなか骨が折れます。まあ、ここだけの話、ミルズ先生の場合、こっそり奥方が手伝われているようですが」

主任教官の執務室で、書類の山と格闘するミルズ夫妻を見たのは、一度や二度ではない。上官の手前、気付かない振りをしているものの、本人以外の手が入っているのは明らかだった。それだけ信頼しているということなのだろう。

「でしたら、私もお手伝いしましょうか?」

「是非ともお願いしたいものですね。仮に、私の字が書けるのなら」

「え?」

意味深な言葉に、ユリアが短く声をあげた。

「あの二人は字もそっくりで、すぐには見分けがつきません。奥方の隠れた特技のようです」

「前から思っていたんですが、ミゼットさんって本当に器用ですよね。お料理もお裁縫も得意だし、おまけに元ダンサーでしたよね。今のお仕事を否定するつもりはありませんが、他にいくらでも道があったでしょうに、どうして士官されたのかしら」

「さあ、先生と出会うためでは?」

「なるほど、確かに!」

ミルズ夫妻の仲の良さは周知の事実である。それはまさに運命的なものなのかもしれない。

「でも、訓練生って殆どが十五六の子供ですよね。何ていうか、私にはそういう対象として映らないのですが…」

「同感です」

「本当に?アグネス=ラサークを見て、可愛いとか思いませんでしたか」

「思いません」

「イサベルは?」

「思いませんよ」

何のかんの言いつつも、そういう相手としては認識するらしい。そう思ったら、何だか可笑しかった。

「そもそもあいつらは、ミルズ夫人以外、眼中にない」

「ああ、それはそうですね。でも…」

「安心してください。当面、女子訓練生を採るつもりはないようですから」

だが、もし上の気が変わったとしたら。考えただけでも頭痛がしてきそうだ。そこでタリウスは、もしもの思考を断ち切った。

~Fin~ 2021.3.7 

「マーガレットの祝福」のオマケ。「エロジジがいる限り、中央士官は女子を受け入れるべきではない」という旨のお手紙をいただいたので。ユリアサン的には良いかなとw



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