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ある夜のこと、シェールはひとりきりの自室で、夢と現(うつつ)を行き来していた。最初はベッドに腰かけていたはずが、いつの間にか姿勢が傾き、今では上半身ほぼすべてベッドに埋まっている状態である。傍らには、読みかけの本が開いたまま投げ出されていた。

「ただいま…って、こら!お前はまたこんな暗いところで本を読んだりして」

「ほえっ?」

まどろみをぶち破り、唐突に意識を現実へと返すのは、今しがた帰宅したばかりの父だ。

「寝るならきちんとベッドに入れ」

「だってぇ」

「何がだってだ」

「寝るつもりじゃなかったんだもん。ただちょっと気持ち良すぎたらけ」

言いながら、シェールは眠りへと落ちていく。

「言っているそばからそれか。ほら起きろ!」

タリウスは、脱力したシェールを捕らえ、パシンと一発お尻をはたいた。

「痛った!」

「痛くしているんだ」

タリウスはベッドに腰を下ろすと、不満そうに声を上げるシェールを膝へ組伏せた。そして、そのまま無造作に寝間着の裾をまくり、パチンパチンとお尻を叩いた。

「全く世話が焼ける。ほら、もう良い。下りろ」

シェールを解放したところで、一日分の疲労どっと襲ってきた。タリウスは、不覚にもベッドに倒れ込んだ。今夜はもう、着替えて眠る以上の力を持ち合わせていなかったらしい。

「とうさん?大丈夫?」

「ああ、多分な」

言いながら、タリウスは額に手をやった。

「あ…」

「何だ」

「え、ああ、痛そうな手だなって」

「どれだけイイコなんだ、お前は」

「イイコはお尻ぶたれないでしょ」

「確かに」

タリウスはプッと吹き出し、それから動かなくなった。

「もう、とうさんは。疲れてるんなら、僕のことなんかかまわなきゃいいのに…」

一転して、世話を焼くほうに回ったシェールは、トンとベッドから降りた。そして、父の手と同じようにほんのりと色づいたお尻をそっとさすった。

~Fin~ 2025.10.18 
シェールをぺんぺんするのは、タリにとって癒しの時間なんだと思うw



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