|
拍手をどうもありがとう☆彡 タリウスが警護部への訪問を終え、城から辞そうとしたとき、キール=ダルトンもまた、役目を終え引き上げるところだった。並んで回廊を歩きながら、タリウスはふいに口を開いた。 「ところで、ダルトン。先程から気になっていたんだが」 「はい?」 「お前、傷の手当てはしたのか」 「え?」 キールはきょとんとして、こちらを見上げてきた。部下、アドリーの話振りでは、この教え子もまたそこそこ負傷していてしかりだ。それもあって、部下も兵舎に連れ帰ろうとしたのだろう。 「着替えたときにちょっとみましたけど」 「まさかそのままにしているのか?」 「俺の怪我なんて、そちらの教官に比べたら…」 「獣の傷を甘くみるな。命取りになるぞ」 これだから警護部は平和ぼけが過ぎる。口の中で毒づくと、タリウスは教え子の腕を掴んだ。 「どこへ行く!医務室はあちらだ」 「で、ですけど、今行っても医師は不在だと思います」 「ならば、俺が診てやる。不満なのか」 「ま、ま、ま、まさか!申し訳ないと思っただけです」 盛大に取り乱すさまは、訓練生時代と大差ない。タリウスは思わず笑いそうになるのをどうにか堪え、医務室を目指した。 教え子の読みどおり、医務室には誰もいなかった。キールを診察台に寝かせ、衣服を捲ると、想像したとおり凄惨な傷跡が目に飛び込んできた。 「いいか、触るぞ。痛むと思うが…」 「平気です。もうこどもじゃなっ!?いってぇぇぇえ!!」 「だから、言っただろうが」 こどものようにのたうち回る教え子に、堪らず破顔した。 「うわ!すいません!すいません!!」 「何故謝る?」 「え?なんか、先生に痛いことされると、つい謝っちゃうんですよね、何でですかね」 「そんなことはお前が一番わかっているだろう。全くどれ程手を焼いたか」 「すいません」 「そのお前に、助けられる日が来るとはな…」 「すいません」 「だから、何で謝るんだ!」 「すいま………」 「ヲイ!」 ~Fin~ 2025.9.7 「続鬼の神髄21」のあとで。たぶんこの二人はもう一生こんな感じ。 |
|
|