拍手をどうもありがとう♪ 久しぶりの、父子揃っての休日である。 「何で僕ばっかり怒られなきゃなんないのさ?!」 「何でって、それはお前が良からぬことばかりするからだろう」 「違うよ!とうさんが怒り過ぎなんだよ。心狭すぎ」 こんなことを言えば、火に油だ。そうとわかっていても、一旦口から飛び出した言葉はしまいようがない。 「確かに、そうかもしれないな」 「へ?」 何故だろう。今日の父はどういうわけかしおらしい。 「どうもお前を見ていると、あれこれ構いたくなるし、小言も言いたくなる。それだけお前がかわいいからだ」 言いながら、大きな手がポンと頭に置かれた。途端に身体が上気してくる。 「ちょ、僕、もうこどもじゃないんだけど」 シェールは、すぐさま父の手を振り払った。 「何?」 「だから、こども扱いしないでってば」 「そうか。失礼したな」 父は笑った。含み笑いというやつだ。 「ならば、子供騙しのお仕置きもそろそろ終いだな」 「………へ?」 「いつまでも膝に乗せられてお尻ペンペンだなんて、大人なお前には屈辱的だろう」 「えっと、それはまあそうなんだけど」 そもそもお仕置きそのものが屈辱的な場合、どうしたら良いのだろう。 「というわけで、今後は何かよからぬことをしでかしたら、鞭一択だ」 「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待ってよ!」 「もう大人なんだろう?」 「お、大人はこういうときこう言うんでしょ。ちょっと考えさせてくださいって」 「なるほど、言うようになったな」 またしても父は笑った。だが、今度は嬉しくてたまらないといった具合だ。一体いつからこんなふうに臆面もなく笑うようになったのだろう。しかも、こんないかにもふさわしくない話題でだ。ちょっとだけ父の頭痛の意味がわかるような気がした。 ~Fin~ 2024.2.6 シェールOTK卒業なるか? |
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