web拍手、並びに、ランキング投票のクリックありがとうございます! 【光のもとで / 好きな人 Side 飛鳥】 自分のクラスを見上げると、海斗が自分の席から下を見ていた。 まるで、猫が街行く風景を眺めてるみたい。私だけしか気付かなければいいのに……。 そうは思ってもみんなが海斗に気付いてしまう。 用があるわけじゃないけど、みんなが「海斗!」と声をかける。 女子が手を振れば、にこりと笑って手を振り返す。愛想のよさは犬なみ。 こういうとき、出遅れると何もできなくなる。 ――えぇいっ! 私らしくないっ。弱気になるなっ!! ここは一発ガツンと呼ぶっ。 そう思ったとき――。 「海斗、はいっ! 決めポーズ!」 空太がテンポ良く声をかけると、海斗はリズムにのってポーズを決めた。 「っ……!?」 周りはドッと湧くけど私は――。 ウィンクとかズルイ。不意打ちすぎる……。 開いている左目と目が合った瞬間、頬に熱を持つ。 これ以上直視なんてできないっ。 私は昇降口に向って走り出す。 頬が熱い。胸がドキドキする。 これ、いつになったらおさまるんだろう――。 イラスト:涼倉かのこ様 |
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