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※ぎんたま3Zぱっつち






 週末土曜日のことだった。予定も何もないこの日、のんびりと起きて、のんびりと朝食を食べて、のんびりと掃除をして。そして午後、冷蔵庫の中身が寂しくなってきたなぁと思い立ち、上下とも伸びたスウェット姿のまま、財布だけをポケットに突っ込んで──つまり携帯電話も持たずに、土方は家を後にした。





たまには遊びに出てみよう





 土方が一人暮らしをする家賃三万の格安ボロアパートは既に築十数年を数えて、いたるところが古く錆びれているのだが、唯一無二の利点としてコンビニだけは徒歩三分という近場にあった。ので、いつもどおり、妙に人が少ないコンビニへと足を踏み入れた──そしてそこで遭遇してしまったのである。偶然雑誌を立ち読みにに来ていた、沖田、近藤、伊藤の三人組と。
 その後は想像に難くないだろう。ほとんど必然的に、ほとんど強制的に、土方は三人組(主に沖田)に引きずられるようなかたちで、上下とも着古したスウェット姿のまま、ボウリングやらゲーセンやらをめぐり遊びつくして──帰宅したのは二十三時を直前であった。まったく最初はほんの十分程度で帰るつもりだったのに、なんて長い買い物になってしまったのだろうか。というか結局、本来の目的である買い物が満足にできていないしと、自分に呆れるばかりである。
 とりあえず三人と解散した後の帰り際、全身に疲労感を背負いながらも、これだけはと思い再びコンビニに寄って買ってきたカップ麺を片手に、土方は玄関のドアを開けた。

「遅い!」

 とりあえず、は? と目を丸くしたのが第一リアクション。
 だって玄関を開けた瞬間に視界に入ったのが、そこにいるはずのない男だったのだから──腕を組んだ銀八が、やや苛立ったような、ものすごく焦ったような顔をして仁王立ちしていたのだから。

「……え、なんでいるんすか」
「なんででも!」
「いやつーか俺ふつうに遊びに……」
「言い訳無用!」

 いいからちょっとそこへ座りなさい、だいたいねぇ、おまえまだ高校生なんだから、ガキなんだから、こんな時間まで歩き回ってちゃだめでしょ! もし誘拐犯とか露出狂とかと遭遇したらどうすんのおまえ、今時は高校生も男も何も関係ねーんだからな! ──と、それはもうお母さんばりにくどくどと説教される。(なぜか)乗ってきたのか、途中から正座をさせられ、同じことを何度も何度も繰り返し言われる。それはもう酔っぱらいのように何度も何度も。なぜ自宅で正座して、不法侵入者の白髪頭の変態教師から説教を受けているのか、本当にさっぱりわけのわからない状況である。
 ただまぁ──自分を心配してくれているというのだけは、銀八の情けなくどうしようもない顔からものすごくよく伝わったので、まぁいいかと受け止めることにしたのだった。


Fin.(たまには遊びまわるのも悪くない)




なんだかんだものすごい心配症。










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