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アルスラーン戦記ダリューン夢




秋のパルス。
昼間の日差しは強いが、夕方にもなると肌寒くなる。
この日もそれは例外ではなく、屈強なダリューンも城を出た途端、身震いをした。




「中々、肌寒くなったものだ」
「ダリューン!」




聞きなれた、愛らしい声が聞こえた。
そこには笑顔の女性が立っている。
この美しい女性を妻にして数年が立つが、世間でいう「飽き」とは無縁で、未だに新婚気分が抜けない。
ふと彼女を見ると、この気温では寒いだろうと思われるほど薄着だった。




「何故こんなところに?」
「ちょうど買い物の帰りだったの」
「そんな恰好で…寒いだろう」
「うーん、ちょっと寒いかな。でも大丈夫」
「本当か?」
「うん。だって…」




そう言って愛しい妻は、俺の手を握って来た。




「だって、ダリューンが温めてくれるでしょう?」
「…あぁ。もちろんだ」
「帰りましょ」




そう言って俺の手を引く白く細い腕。
俺は、一生、彼女を守ろうと再びパルスの空に誓った。







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