拍手ありがとうございます。
拍手お礼として以前違うサイトで短編としてに置いてた小話を置いておきます。

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ホントの世界
【ヤンデレ×アンチ王道不憫主人公/微ファンタジー】



悪いこと、したって自覚はなかった。

副会長には無理に笑わなくていいと言った。会計にはセフレとかそういうのはやめたほうがいいと言った。書記にはうまく喋れないなら喋らなくても良いと言った。会長はそんな俺に興味を持った。

ただそれだけ。

そっから、学園は荒れたらしい。

俺は知らなかった。
だって俺は転校してきたばっかりで、右も左も分からないくらい、何も知らない世間知らずで。
だから学園の秩序が俺によって壊されたことなんて……そんなの分からなかったんだ。

俺が連れ回していた親友は何者かに襲われ、今は入院している。
今まで俺を慕ってくれていたはずだった彼らは、手のひらを返したように俺に迫った。お前のせいで、お前が悪い、お前が全ての元凶だ、居なくなれ、消えろ。たくさんの罵倒を浴びせられた。

そこで漸く理解した。俺は本当は、誰からも好かれていなかった。

ここに来て三ヶ月、いろいろなことが起きたけど、今、俺はひとりぼっちだ。


「みんな、居なくなっちゃった」


少し笑えてくる。こんなに悲しいのに、景色はいつもと同じ。
俺一人がどんな状況になろうと、当たり前に世の中は変わらない。
俺は中庭の芝生に寝転がった。


「……ひとりぼっちは、さびしいな」


みんな勝手に俺に興味を持って、勝手に居なくなった。
生徒会は怠けていた仕事を親友のために再開し、同室の一匹狼といわれていた彼も、親友の病院に付き添っている。


「あーあ、何が悪かったんだよ。普通のつもりだったのに、」

思わず溢れた独り言。

次いで、溢れる涙。



「俺が悪かったのかな……」


だって、副会長の笑顔は泣いてるみたいだったんだ。だからそんなんだったら笑わない方が良いと思った。
会計のセフレだって、お互いに悲しい関係だと思った。良くないって言っただけで好かれるとか思わなかった。
書記はハーフで、うまく日本語が喋れなかった。でも今の日本じゃ、ろくに喋らないコミュ障のやつだっていっぱい居るし、泣きそうになりながら喋ろうとする彼をカワイソウだと思った。


みんな俺のこと勝手に好きになって、勝手に幻滅しただけ。

「またひとりぼっち」


もうひとりぼっちになりたくなかったから、明るいキャラつくって頑張っただけなのに。







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