【小さな嫉妬心〜大戦Rホウ徳×SR馬超】





「若…?何を拾って来たのですか…」



目を丸くしながらホウ徳は馬超が手に持つ黒い生き物を見て言った。

馬超の両手の中には、もぞもぞ動く小さな毛玉…基、子猫。



「見てわからんか、子猫だ。何か雨に濡れて可愛そうだったからよ…拾って来た」



乾いた布で、そっと子猫の身体を拭いてやりながらホウ徳に答える馬超。

さすが弟二人を持つ兄、面倒見は良いようである。



「拾って来て…どうされるおつもりで?」



「飼う」



何を言うんだ、令明は。と、言った表情で言い返し、馬超は子猫を自分の顔の前まで持ち上げ笑いかける。

そして…



ちゅっ



と、なんの躊躇いも無く猫の鼻先に馬超が口づけた。

途端につまらなそうに歪むホウ徳の顔。



「何だよ令明…。猫にやきもちかよ?」



あからさまに表情を変えたホウ徳に対して馬超が問うた。

するとホウ徳は珍しく顔を紅くしながら馬超の方へと歩み寄り叫ぶ様に言う。



「…恥ずかしながら、そうですよ!」



そして、大きな声に驚いた表情を浮かべる馬超を子猫ごと自分の両腕の中に抱きしめるのだった。



「自分でも猫などに嫉妬するなど、思いませんでしたよ…っ」



「れ…令明…?」



「猫にすら、貴方の唇を奪われたく無い…。申し訳ございません、俺の勝手な独占欲で…」



ぎゅっ…。



と、ホウ徳が馬超を抱きしめる力が強くなる。

それに合わせるかの様に、馬超は子猫が潰れないように守りながらも、抱きしめるホウ徳の胸に自分の額を押し当てた。



伝わってくる鼓動は、いつもより少しだけ早く…。



「馬鹿…ホウ令明ともあろう勇将が、猫に動揺させられてるんじゃねぇよ」



にやり、と笑いながら馬超が上向く。

すぐ眼前に広がる、ばつの悪そうな表情を浮かべたホウ徳の顔。



「…隙だらけだぞ、お前」



そう言いながら馬超は、ほんの少しつま立ち。

静かに、そっとホウ徳の唇に自分の唇を重ねた。



それは互いに触れたのか、わからぬ程の短い時間であったが。



「…へ?」



馬超の方から口付けて来る事など、今まで記憶に無いホウ徳は呆気に取られて抱きしめていた力を緩めた。

その瞬間を狙って、馬超はするりとホウ徳の腕からすり抜け、子猫と共に自分の室の方へと駆けて行く。

後には、馬超の駆けて行く姿を呆然と見つめながら固まるホウ徳の姿。

時折夢では無かろうかと、指で自分の唇を触って感覚を確かめる。



「そんな隙だらけな令明は、手合わせで父上にぼこぼこにされてこーいっ!」



遠くから、馬超が楽しそうに叫んでいたが、当のホウ徳が正気を取り戻すにはまだまだ時間がかかるようであった…。








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