ありがとうございました!


あの頃外の世界に執心していた男は、今は夜宙を見上げるのに夢中だ。プラネタリウムを見終わってロビーに置かれた七夕用の短冊に記した願いは『新しい天体の発見』。宇宙バカもいいところだ。はたして七夕の夜にこいつは本当に新しい星を見つけやがった。オイオイ、俺のカビの根絶の願いは叶ってねぇのに、こいつに甘すぎやしねぇか。
「星に名前をつけてみたかったんだ」
星の名前は『エルゲルヒェン』記憶がないくせに恥ずかしい命名をしやがった。
「いい名前だろ」
にんまりと満足げな笑顔は相変わらず気持ち悪い。だが、ここだけの話俺は結構それを気に入ってる。



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あと1000文字。