〜ある休日の一場面〜




「んー」
「うー」
 似たような声が別の家二件で聞こえていた。

「むー。楽しくない」
「そりゃ、勉強だからね」
 小闇の家で、空と神子都と小闇は勉強会を開いていた。
 やる気の無い空は、テーブルに突っ伏してノートにいたずら書き
を始める。その姿を隣で見ていた神子都は、宿題を進めていた手を
止めて、空を呆れながら見る。
「つーまーらーなーいー」
 二人は顔を見合して、少し呆れた顔をしていた。
「うーん。じゃあこれやる?」
 立ち上がって小闇の机の引き出しから出された紙。
「ん?何これ?」
「数独ってのだよ」
 そこには、正方形のマスが八十一個書いてある紙。正方形のいく
つかは数字が埋まっていた。
「数独?」
「空この前やったじゃん」
「あー。あのパズルね。やるやるー」
「気分転換にいいかもね。神子都ちゃんもやる?」
「じゃ、やろうかな」
 小闇は紙を三枚取り出す。そして部屋の真ん中にある丸テーブル
で、三人で黙々と数独を始めた。

「あー、終わったよ」
「お疲れ」
 光介の家では、大地と光介が宿題をテーブルに広げていた。
「サンキューな、光介」
「たいしたことないよ」
 大きく伸びをした大地は笑顔で光介を見る。光介はノートを閉じ
て片付けを始めていた。
「さーて気分転換に何かやるかなー」
「あ、数独なんてどう?」
「数独ー?ま、面白そうだしやるか」
 コピーされている問題の紙を受け取ってから、楽しそうに解き始
めた。

「んー」
 空は目の前の紙を睨みつけるように見る。なかなか埋まらないマ
ス。神子都も小闇も既に終わっていて、空だけは、解けずにいた。
「難しいー。なんで出来るの?」
「よく考えりゃ出来るだろ」
「空ちゃん、問題変える?」
「やだっ!二人が出来たなら意地でもやる!」
 少しムキになりながらも、また数独の紙を睨みつけながら、考え
始めた。

「うーん」
 大地は首を傾げながら、シャーペンで一つ一つ確認する。どこか
でずれているのか、まだ埋まっていない。向かいでは、光介が大地
の紙を覗いていた。
「何でだろなー。どこで間違えたんだ?」
「問題、変えてみるか?」
「…やだ。解きかけだから、絶対に解いてやる!」
 本気で燃えているのか、シャーペンを握り締めて、数独の紙を一
生懸命覗いていた。

(本当に、大地君に似てるよなー)
(萩本にそっくりだよ)

(全く、五月に似てるよな)

 別の場所で、似たもの同士が同じように唸り声をあげながら数独
を解いていた。
 別の場所だが、それを見ながら苦笑している三人がいたとか、い
ないとか。


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