パチパチありがとうございますv

今回は本編とは全く関係なく、

大学生になって都会に出た守護者達の

「エスカレーター・シリーズ」♪

 第2弾は「慎司&卓」

 第1弾も含めランダム表示なので、見たい方はおみくじ感覚でぽちっとしてみてください。

 今後色々増やす予定です。






『エスカレーターは優しい』





 連休を利用して久方ぶりに知己と再会する時は、どこか心浮かれるもの。

 相手は変わっていないだろうか、はたまた自分は変わっただろうか?

 会ってしまえばたちどころにそんな物思いはどこかへ飛んでしまうだろうに、会うまでの時間の長さが、期待感と相俟って想像力をより膨らませていく。

 そうして降り立った駅は故郷の村とは違い、多くの人々が忙しなく行き交っていて、自分の目的地を目指して足早に通り去って行った。

「やっぱり圧倒されちゃいますね、この人の多さに」

 慎司は人々のざわめきに紛れないように、いつもより少し大きく声を発している自分に気付く。それだけで、やはりいつもと違う場所に立っているのだと認識を新たにした。

「そうですね。賑やかなのは結構なことと思いますが、ちょっと落ち着かないかもしれません」

 苦笑気味に返答してくれた卓に、慎司も同意を示して困惑気味の笑みを零した。

 双方共に物静かな性質のため、賑々しすぎる場所は少し気後れしてしまうのだ。

「さて、次の乗り換えまで時間も限られていますし……」

「そうですね、8番線のホームに向かいましょう」

 以前に上京した際に通った薄らと覚えのある道を辿りながら、二人は広い通路を歩き出す。

 駅構内の案内図を頼りに目的の番線へ通じる道を見出すと、丁度電車が到着したのだろうか、多くの人々が階段を降りてきた。

 上のホームへ向かうには昇り専用のエスカレーターの方が空いて見えたため、二人は自然とそちらへ足を向ける。

 人の流れに乗って早めに動かしていた足をエスカレーターに乗ったと同時に止めると、少し気が休まるような心地がして、慎司は「そういえば」と口にした。

「僕、村を出て一番最初に驚いたのが、エスカレーターなんですよ。自動で動いてくれるのは勿論便利ですけど、お年寄りや小さなお子さんにとっては優しい構造ですよね。最近では、車椅子を運べる機能がついてるものも見かけますし」

「確かにそうですね。私の第一印象は、着物の乱れが気にならずに乗れるさりげなく便利な乗り物、といった感じでしたよ。女性の方が少し丈の高い靴を履いていて、歩きづらそうな時にもお勧めです。あぁ、妊婦さんや赤ちゃんを抱いてらっしゃるお母さんにも、良いんじゃないでしょうか」

 柔らかい笑みを浮かべながら和やかな会話をしていると、いつしかエスカレーターは終着のホームへと向かう傾斜に変わっていた。

 乗り下りた後に押し出されるような独特な感覚が、早く会いたいと願う気持ちを逸らせていく。

 大学に進学した季封村の仲間に会う約束の時間まであと僅か。

 大きく鳴るベルが響き渡る駅のホームに、電車が滑り込んできた。


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 都会に出た守護者達のエスカレーター・シリーズ第2段。

 今回は気遣いの二人でした。

 色々なペアで展開していきますので、次回もお楽しみに~

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