・華艶乱舞18話冒頭先行公開

 その屍体はカミハラ区の森林で見つかった。
 通報者で発見者はサバイバルゲームのサークル員だ。
 現場に駆けつけたのは帝都警察の捜査一課の刑事[デカ]――河喜多[カワキタ]ケイ。新米の女刑事だが、その優秀さを買われ、女性が少なかったこの部署に配属された。
 彼女の配属されている部署から考えるに、この事件は殺人であり、被害者は猟奇的な殺され方をした可能性があるということだ。そう、彼の部署は猟奇殺人や能力者などの特殊な犯人を捜査する部署だった。
 しかし、この屍体には主立った外傷がなく、まだ完全に殺人と決まったわけではない。それでもケイが呼ばれたのは、この屍体が異様であったからだ。
 黒土の投げ捨てられたように横たわっている屍体。ケイはその亡骸に視線を向けながら、近くにいた検死官に尋ねることにした。
「死因は?」
「詳しい検査をしてみないとはっきりとしたことは言えんが、おそらく直接的な死因が餓死だろう」
「見たままね」
 屍体は異様なまでに痩せていた。まさに骨と皮。全裸の屍体は女であったが、胸もなく顔も痩せこけ、男性器がないことを見なければ、瞬時に性別が判断できないほど痩せていた。
 浮き立つ骨。
 まるでボディペイントでシャドウを入れたように、骨骨骨、あばら骨など、全身の骨が強調されている。
「おーい!」
 少し離れた場所で捜査員の声がした。
 すぐに現場に駆けつけるケイ。
 土から人間の腐った手らしきものが出ていた。掘り返してみると、やはりそこにあったのは腐乱屍体――痩せていた。
 腐敗が進んでいるが、そこの屍体は明らかに異常な痩せ方をいたのだ。けれど、前の屍体との因果関係はわからない。腐敗と時間の経過で目立った外傷がなければ、死因の特定も難しいかもしれない。
「同一犯?」
 とケイが周りの者に尋ねた。
「似てはいるが、捨て方が違う」
 捜査員のひとりが答えた。
「おい、まだほかにも埋まってるぞ!」
 その言葉にケイは息の飲んでゾッと背筋をさせた。
 屍体はその後、また一体見つかり、この森で合計四体の屍体が発見されたのだった。



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