・魔導師ルーファス18話冒頭先行公開

 放課後、薬品調合実習室で居残りをしているルーファス。その付き合いをさせられているローゼンクロイツと、そのおじゃまをしているビビ。
 今日の錬金術の授業で、薬品の調合が上手くいかずに、緑色の煙を教室に充満させるという事故を起こし、それを反省して自主的にルーファスは復習にいそしんでいた。
「そこの試験管、青いやつを取ってくれないかな?」
 目の前のビーカーを真剣に見つめながら、手だけを二人に向けた。
 が、だれも試験管を取ってくれない。
「あの、試験管を……」
 振り向くと、ローゼンクロイツとビビは楽しい錬金実験をしていた。
「この薬品とこの薬品を混ぜて、少しボクの魔力を加えてやると(ふあふあ)」
「なになに、なにが起こるの?(ワクワク♪)」
 大きめのビーカーに薬品を入れて、そこにローゼンクロイツが指先を浸けて、素早く離した。
 すると、ビーカーの中で錬金反応が起こりはじめた。
 はじめは小さな粒だった。それがだんだんとコンペイトウのようになり、やがて七色に輝き踊りだした。
「すっごーい、わぁキレイ♪」
 ビビは目を星のように輝かせて喜んだ。
 さらにローゼンクロイツは液体に指先を浸けて魔力を注ぐ。
「生まれる結晶は魔力を注ぐモノによって違うんだ(ふにふに)」
「アタシだったらべつのになるってこと? やりたいやりたーい!」
 楽しそうにはしゃぐビビを恨めしそうに、ルーファスは生温かい眼で見つめていた。
「(手伝ってくれるって言ったのに遊んでるじゃないか)」
 だれも試験管を取ってくれないので、仕方がなく目の前の調合中のビーカーから目を離して、青い液体の入った試験管に手を伸す。
「ん~、んん~っ(届かない)」
 あとちょっぴり届かない。ぷるぷると腕が震える。
 微妙に悪戦苦闘するルーファスを放置して、ふたりは楽しげに実験を続けている。
 新たに作り直した液体の中に、ビビはおそるおそる指を浸けようとしている。
「いきなり爆発することないよね?」
 尋ねるとローゼンクロイツは、横で新たな調合に夢中だった。シカト。仕方ない、彼は我が道を行くひとだ。
「ねぇねぇ、ルーちゃん見て見て!」
 だれにも構われないとつまらないので、ルーファスに声をかけるが、こっちも現在必死だ。
「ちょっと今忙しいんだ、あとでね」
「もぉ!」
 ぷくっと頬を膨らませて、ビビはプイッとそっぽを向いた。
「いいも~んだ。アタシだけ楽しいことしちゃうもんね!」
 大きな声で言ってから、ビビは一気に指をビーカーの中に入れた。
 ピューン、パンパンパン、パーン!
 ビーカーから打ち上げ花火が連続して上がった。
 弾け飛ぶ火花が煌めきながら躍り、直撃を喰らいそうになったルーファスが悲鳴を上げる。
「ぎゃっ!」
 髪が焦げ、慌てた拍子に試験管を倒し、ビーカーの中身をぶちまけた。
 そして、床にできた水溜まりに火の粉が落ちた瞬間!
「ルーファスはおらんか?」
 教室にカーシャが乗り込んできた。
 ピンクの煙で視界が奪われる。
「げほっ、げほっ……(なにごとだ、またルーファスがしでかしたか?)」
 煙を手で払いながらカーシャはルーファスを探した。
「ルーファス、ルーファス!」
 手探りをしていると、むにゅっとした感触に触れた。
 煙が晴れてきて、ルーファスとカーシャが目を合わせる。
「「ギャーーーーッ!」」
 一斉に二人は悲鳴を上げた。
 ビビが当たりをキョロキョロ見回す。
「どうしたの!?」
 凍りついているルーファスとカーシャ。それを見たビビも凍った。
 いったいなにが起きたのか?
 カーシャが口火を切る。
「なんだこの爆乳は!」
 ルーファスの爆乳を両手で揉みしだきながら叫んだ。
「あうっ、む、胸!? カーシャこそそのマッチョ……」
 喘いで驚き、さらにカーシャを指差して指摘。
 女体化したルーファスと男体化したカーシャ。
 爆乳とマッチョ。
 ムキムキのボディで服がピッチピチで、まるでクマのような巨体。荒くれる漢の中の漢だが、顔は基本カーシャ。
 華奢な体とはミスマッチな爆乳と、元々髪も長くシルエットはまさに女の子。メガネっ娘属性もプラスされ、顔立ちも悪くないので、まさかの美少女。でも、ちょっと背が高い。
 変貌した自分のボディにショックを受けたカーシャは、背を向けるとスカートを捲り上げて、ナニかを確認した。
「生えとる!」
 ぱお~ん♪



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