鈍さと無意識は、凶器だと思う。
                                                                                                                                     *Prince of Tennis


「ごめんなさい、鳳くん。私、宍戸先輩みたいに男らしいひとが好きなの。」



そう言われて、彼の半年にわたる片思いは幕を閉じたらしい。
相談相手の私としては、しょうしょうかわいそうな結果だな、と思う。



「俺…男らしくないのかな…。」

「そんなことないよ。身体だって大きいし、女の子って背が高い子が好きだよ?」

「きっと宍戸先輩みたいな中途半端サイズのほうが丁度いいんだ…。」

「中途半端って…。きっと、男らしいって意味だって、あの子にとって長太郎が違っただけだって。」

「俺が男らしくないって、キミも言うんだ…。」

「そーじゃなくてネ。だからー、宍戸先輩って見た目からして、
 不器用で素直じゃなくて、男気があって、頼れるじゃん。
 長太郎は、ま逆だから。見た目からして、優しくておっとりしてて、結構素直。」



そう言うと、長太郎はうるるっとまた泣き出しそうになった。
やば、言葉を間違えたか。困ったなー。

私より全然大きい身体を震わせて、今にも泣きそうな顔で私を見てきて。

まったく、これだから大型犬とか忠犬チョタ公とか言われるんだよ。
少しはビシっとして、男らしく強引にいってみなさい!

って言ったらまた、面倒になるんだろうなー。



「キミも、俺より宍戸先輩が良い?」

「は?」

「付き合うなら、俺より宍戸先輩が良い?」



いきなり真剣な目で見てきたから、思わず、止まってしまった。



「わっ…私は…長太郎の方が、良い、かな。た!たとえばだからね!!」



そう言うと、嬉しそうな顔をして、俺もキミみたいな子のほうが大好きだ!なんて言うから
ドキドキがしばらく止まらなった。ほんと、罪つくりの忠犬でやんなっちゃう。








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