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大したモノではございませんが、お礼のssです。とりあえずのニルティエで、某ドラマのパロもどきです;しかも中途半端です!こんな設定を書いてみたかった!だけな…。



     ★★★



愛人は亡骸の傍で笑う



 ニールは背筋を伸ばし颯爽と歩く背を追っていた。



 車に乗り込めば、凛とした横顔が窺える。なにがあっても動じず、涼やかな美貌を崩すことはない。



 現場に着くなり、いつもより早い足並みで向かうのを大股でついていく。



 白い手袋を嵌める所作もうつくしく、そんな場合ではないのに見惚れてしまいそうだ。



 スーツや青い制服を着た物々しい雰囲気を掻き分けていると、



「特命係のニールくぅん?」



 厭味ったらしい声が横から聞こえてきた。



「ハレルヤ…」



 早速おでましかよ、と内心舌打ちするニールにハレルヤが突っかかる。



「おセンチ警部殿もご一緒で、なんのご用でしょうか?」



「ハレルヤ、やめなよ…」



「うるせぇな、てめぇは黙ってろ、アレルヤ!」



 いつもながらの捜査一課名物双子漫才を横耳に聞いている間に、さらに聞く耳を持たない相棒はさくさくと奥へと入り、無残に横たわる被害者の横にしゃがんだ。



「ティエリア」



 それを待っていたかのように、すぐ傍にいた鑑識の若い男がティエリアの横に並んで屈む。



「刹那…状況は?」



「見ての通りだ。死亡推定時間は本日未明…薬物反応はない」



 被害者は三十代くらいの男性で、ベッドの下で全裸で左胸を包丁で刺された状態で仰向けに倒れている。



 サイドテーブルにはワイングラスがふたつ。



「第一発見者は」



「あ、ええと…これだよ」



 ティエリアがちらり、とアレルヤを見ると、彼は慌てて調査書をティエリアに差し出した。



「リボンズ・アルマーク…自称20歳」



「アレルヤ!てめぇ、なに教えてんだよ!」



「だって…ハレルヤ…っ」



 アレルヤの胸倉を掴み上げるハレルヤ。



 とりあえずふたりはそのまま放置することにして、ニールはティエリアが持っている調書を覗き込んだ。



「自称ってどういうことだ…?」



「そう見えないほど若い、ということだ。…ティエリアのように」



 ニールの呟きに刹那がティエリアをちらり、と見て答えた。



「おま…それを言うな…って、聞こえてやしないか。で、何者なんだ?」



 ティエリアは無表情で調書を読み、突然立ち上がると部屋を物色し始める。



 それを眺めつつ刹那に問うと、刹那は被害者の下半身を覆っていた幕を取り除く。



「う」



 生々しい痕跡にニールが呻いて視線を逸らすと、刹那はその個所を元通りに覆った。



「被害者、アレハンドロ・コーナーの愛人だ。…シャワーを浴びて戻るとこうなっていたらしい」



「…思い切り怪しくねえか?そのリボンズって奴」



「ああ」



 刹那も神妙に頷き合意する。



 そんななか、目元だけを赤くし憔悴しきった表情の少年が、警官に支えられるようにして現れた。



 刹那が称したとおり、少年はどうみても十代の半ばくらいにしか見えない。



「あぁ…アレハンドロさま…っ、僕は…僕は…」



 リボンズは被害者を見下ろしたかと思えば、ふらり、とよろめき、その場に崩れ落ちた。



 ティエリアには及ばないが、並み以上の整った容貌を歪めて、愛人の手を握って嗚咽する姿は、怪しいと思っていてもとても演技には見えない。



 咽び泣くその姿に、周囲にいた者が痛ましい表情でいるなかで、ティエリアだけが妙に冷めた眼差しで見下ろしていた。



「警部殿、そろそろ俺らに任せて帰ってくれ」



 凍てつくような雰囲気を纏ったティエリアに、命知らずというか鈍感というかのハレルヤが声をかけ、ぽん、とその肩に手を載せる。



「黙っていろ、ヒトと話す気分じゃない。…ニール、戻ります」



 なにか空恐ろしいモノが潜む赤い瞳でハレルヤを睨みつけたティエリアは、その手を乱暴に振り払うとくるり、と背を向けた。



「はいはいっと」



 怒りに頬をひくつかせるハレルヤと、それを宥めるアレルヤ、淡々と業務をこなす刹那を後に、ニールとティエリアは現場を離れた。



「…虫唾が走る演技だ」



 助手席に乗りこむなり吐き捨てたティエリアは、かなり気分を害しているようだ。



 ニールがそっと菫色の髪を指先で掬って唇を寄せると、ティエリアは深く息を吐き、ぎゅっとニールの手を握った。



「ティエリア?」



 らしくない仕草にその顔を覗き込むと、ティエリアの唇がニールのそれを掠める。



「愛するヒトとの行為のあとに…しかも平然とあのように振る舞えるとは、信じられない」



 ニールはティエリアの額を啄ばむと、ゆっくりと車を発進させた。



「愛がなくてもできる奴もいるし…愛が憎しみに変わることだってあるかもしれないぜ」



「…憎しみに…」



「とりあえず、俺たちには無縁の言葉だな。なんなら…これから確かめに行こうか?」



 ティエリアの気分を上昇させるために、冗談混じりにウインクを飛ばして提案すると、ティエリアは押し黙って窓を外に視線をやる。



 その頭が微かに上下したように思えたのは、ニールが抱いている僅かな希望が見せた幻かもしれない。



 すぐに犯人が判ったはずのこの1件は、捜査一課がリボンズの迫真の演技に振り回される形で迷走を続け、結果再度ティエリアが乗り出すこととなったのはもう少し先の話だ。



「アレハンドロ・コーナーはいい道化だった」



 取り調べのなか、可笑しそうに笑ったリボンズの優越感に浸った表情に、関わった皆が苦虫を噛み潰したのは言うまでもない。



     ★★★



お付き合いくださりありがとうございました。



はっきりと判りました。自分は刑事ものに向いてない;;あれだけ見てるのに表現できない…(死)。設定が生かしきれませんです…。



お粗末さまでした!(ぺこり)




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