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拍手ありがとうございます!

拍手ありがとうございます!『Berry眼鏡』のメガネの方、深海みなもです。素敵な拍手をいただけましたお礼にとbay reeさんがこれまたステキなお話を書いてくださいました!本編の『EDEN』より少し以前のお話になります。全3話になっております、よろしければ『元気づけてやる』ボタンから全話お楽しみ下さいませ。

5/6、bay reeさまより拍手小話4話目『星の願いを…』を頂きました!こちらもよろしければぜひご賞味ください。

『ストロベリーキャンディー』


―1―




「お邪魔しまぁ~すv」
薄茶色の巻き毛が可愛い少年の後に続いて、眼から下の殆どを口布で覆った銀髪の少年が部屋に入って来た。
「おうっ! 二人とも、適当に座ってくれ」
部屋の持ち主である黒髪の少年が笑う。
「…えーっと、何か 机みたいの無いのかな?オビト君 これじゃ、宿題は出来ないよね?」
巻き毛の少年の言葉に、悪ィ と、オビトが部屋を飛び出し直に、折り畳み机を持って現れる。その様子を見て溜息を吐いた銀髪の少年が、ベッドを押し付けた壁に貼られた写真を見て固まった。
桜の木の下で、銀糸に薄紅色の花弁を纏い付かせた少年が、部屋の中の三人を優し気に見詰める。
「んだよ バカカシ。オレの天使に見惚れてんじゃねェよ。へへッ!スゲェ、美人だろ? この間、道に迷っているジイさんと その仲間達が居たから、道案内してやったんだ。そしたら、そのジイさん 土影でさー 火影室で、暫く二人の茶飲みに付き合ってやったら、呑気に花見の写真とか見だしてさ。オレもヒマだったし 何となーく見ていたら、天使が居るじゃん! 一目でオレのハートは撃ち抜かれたね。あの子に」
「へぇー凄いね~ 三代目から、お礼を貰えるなんて良かったね。」
勝手に組み立てた机の上に、鞄の中から 巻物やら資料の本を出し始めた巻き毛の少年とは逆に、銀髪の少年は固まった侭 動けない。
「三代目も土影のジイさんも、オレの天使の名前を教えてくれないんだよなァ。アカデミーで、オレ達の同級生だって言うんだけれどさ」
机の上に、レポート用紙を放り出してゴロリと寝転がったオビトが言う。
「えっ!こんなキレイな子、見た事ないしっ! この子がアカデミーに居たら、テレビとか雑誌とか 放っておかないよね? うーん…三代目が間違えるとは思えないし 不思議な話だね。」
硬直し続けたカカシが、漸く ぎこちなく動き出す。床の上にペタリと座り込むと、机の上に巻物を広げ出した。
「…オビト、お前 趣味悪過ぎでショ。こんなブサイクのドコが良いのヨ?眼、腐ってんじゃないの?」
カカシの言葉に、巻き毛の少年迄もが驚く
「カカシ君 もしかして、焼き…」
「んだとっ、テメェ!バカカシっ! 眼が腐ってんのは、お前の方だろうがっ!」 
勢いよく立ち上がったオビトの所為で、机が引っくり返る。
「小僧共が、何を騒いでいる。」
引き戸を開け菓子盆を持って現れた家の主に、巻き毛の少年が慌てて頭を下げる。
「やあ、カカシ君。自分の家だと思って、ゆっくりして行きなさいね。火影邸なんかより、こっちの方が広いし 落ち着いて勉強も出来るだろう? そう言えば、波風君から聞いたんだが 入学してからずっと、総合で首席を守っているんだってね。流石、あの方の忘れ形見だ… 私も、君を誇りに思うよ。」
ニコニコと微笑みを浮かべながらも、瞬く間に机と散らばった巻物類を片付け カカシの前に次々と菓子やら湯飲茶碗を並べる男に、オビトがぼそりと呟いた。
「フガクさん。オレ達も腹、減ったんだけれどさー オヤツは、」
「あっ?貴様ら ガキ共は水道水でも飲んでろ。」 
…フガクに舌打ちをされた二人が黙り込む。
「あの… フガクさん。オレ 一人じゃ食べ切れないので、あの二人にも分けてあげて下さい。」
カカシ君は、本当に優しいなぁ~ ニコニコとフガクが再び微笑みだす。

フガクが立ち去ると、三人の間に微妙な空気が流れた…
「あのさー何時も、不思議に思っていたんだけれど 何で、オビト君はフガクさんの家に住んでいるの? フガクさんの本当の子供は、イタチ君とサスケ君だけだよね? 火影邸より広いから、掃除する子達が欲しいとか?…そんな訳、無いよね。」
巻き毛の少年が机の上の煎餅に手を伸ばしながら尋ねた。
「ん?ウチの一族で、親の居ない奴等は 全員 フガクさんの家に集められるんだ。ほら、写輪眼が開眼した時、色々と便利だし? まぁ、男しか産まれ無い時代になってから オレみたいに親の顔を知らないってヤツなんて、珍しく無い訳なんだけれどさ… アカデミーを卒業した奴等は、さっさと寮から追い出せば良いのにな。」
口の中に押し入れた菓子を 噛み砕きながらオビトが言うと、うん…と、巻き毛の少年が煎餅を一口齧った。
「先週の木曜日から 学校に来なくなった子が居るよね? ほら、眼鏡を掛けた大人しそうな …寮で悪戯されたみたいで 今、病院に入院しているんだって。怖いよね… 下忍になっても寮に入り浸っている様な奴等は、任務より 悪戯した時の写真やビデオで稼いでいるって言う話だしさ。絶対に証拠は残さないから、被害者から話を聞くしか無いんだけれど…ムリだよね。僕みたいな劣等生は中忍になる迄、寮暮らしは出来ないな…」
巻き毛の少年が、俯く。カカシは一人、巻物を広げて眼を通すと無言で鞄の中へ戻した。

「オレの天使をブサイク呼ばわりしたバカカシだけは、親が三代目の親友だったとかで 火影邸に住んでいるけれどなー。お前みたいなブサイクの性悪が、何で フガクさんや、三代目から特別扱いされるのか謎だよなァ」
オビトから溢れ出る怒りのオーラを断ち切る様に、巻き毛の少年が態と大声を出す。
「この お煎餅、美味しいね!食べ終わったら、宿題を片付けようね!」
玄関の方で、話し声が聞こえた。三人揃って聞き耳を立てていると、再びフガクが現れた。
「此処に、モミジとか言う者は居るのか? 山中が話があるそうだ…」





2に続く…よろしければ『元気づけてやる』ボタンから全話お楽しみ下さい



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