ありがとうございます!はげみになります、以下つまらないものですがお礼です
雪子
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目をこすって薄明かりの方へ歩く。微かに音がしてテレビが付いているのがわかった。まだ起きているのか、と言って近寄れば、ソファに座るロックオンは眠っていた。なにもかけないで風邪をひくと思い、いつもしてもらっているように毛布を持って来ようと背中を向けた瞬間、強い力で腕は取られてぼすりとソファに転んだ。原因の主をじとりと睨めば寝起きのとろけそうな目でにこりと笑われて、心臓が強く鳴る。 「あったかい」 長い手足に捕まえられて、抱きしめられているはずなのにすがられている気分だった。負けずに強くシャツを摑んで、名前を呼ぶ。なに、と返事をする声も甘ったるくて、寝起きのロックオンはどうにも苦手だ。 自分よりも低い、それでも温かいひとの体温に安心して眠れるようになったのは、この男のお陰だった。寒さを凌ぐため、生きるためじゃなくてもひとの体温に触れて眠ることの心地よさをこんなに知ってしまって、とても怖い。いつかひとりでいられなくなってしまったときに、この男がいなかったらどうすれば良いんだろう。 深夜は空気が澄んでいた。テレビの音は随分低くされているのにとても大きく響いている。側で眠るロックオンにつられて視界が霞みながら、春の日を思った。あの空気の匂いとお前は似ていると言ったら、どんな顔をするだろう。
見果ての春
(080404)
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