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それはかばっただけの行為。
襲い来る暴風から、迫りくる砂煙から、自分を盾にして守ってくれただけのこと。……だけというのは失礼か、でも彼は本当に無意識にもそんなことをしてしまう人なのだと、少しばかり長くなり始めた付き合いの中で知っていた。きっとその場にいたのがエステルじゃない他の誰かでも、きっとこうやってかばうのだ。
(でも)
エステルを守ってくれた腕の強さと胸の温かさが、体の奥深くまでしみこんで消えない。そのあと、エステルの腕をひいたときの指の感覚も。もうあれからどれほどの時間が経ったのか。あのときにはそれを考えてる余裕なんてなくて、今まで思うことさえできずにいたけれど、ふと思い出したらそれはぶり返してエステルの中から消えなくなった。心臓がとくとくと音を立て、少しばかり頬が熱くなる。胸の奥も、ほんの少し痛みながら、それでも心地よく温かい。
(わたし、どうしちゃったんでしょう)
リタやジュディスなら答えを知っているのだろうか。それとも、人生経験の豊富そうなレイヴンか。いっそのこと、ユーリ本人に訊いてみればいいのかもしれない。
そう思いながらも、答えなんていいからまたあの温かさに触れることができたらどんなに幸せだろうとも思っているのだけれど。
人はそれを恋という
拍手、ありがとうございましたvv
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