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※モブ船員視点






苦しい時に耐えなきゃいけないのなら、それはきっと今だ。





この船に乗って、初めて自分の力不足を思い知らされた。

船長の従順な手足となりたいのにそうなれない弱さしかない自分。
前に進めず堂々巡りをするしかない自分。
教えを請うべき人からの助言を素直に受け入れられない自分。

悔しさと、上手くいかないことへの苛立ちが胸を締め付ける。
こんなんじゃいけないのに。
それが分かってるのに、どうにもできない俺はなんて馬鹿なんだろう。


でも、きっとこれは苦しさなんて大層なものじゃないのだろう。

だって俺は今壁にぶつかったわけじゃない。
人間関係をこじらせたわけでもない。
命にかかわる問題を抱えたわけでさえないのだから。

だから、これは俺が乗り越えなきゃいけないんだ。
ちっぽけなこの胸の中だけの問題を、
ちっぽけなこの胸の中でだけで乗り越えなきゃいけないんだ。






自分に、ひとつ誓いを立てた。


ペンギンさんや船長のような誰もが憧れる強さも知性も、
ベポさんやキャスケットさんの自然と周りを幸せにする明るさも、
ワカメさんのような優しさも、
バンさんの様な懐の広さも、

俺には何もないから。



ひとつだけ、自分に誓いを立てよう。
ハートの海賊旗に誓ったその時に、俺は決めたのだから。

ここで生きると、決めたのだから。







「………ひとつだけ、」



そう、ひとつだけ誓うんだ。
このちっぽけな胸の、臆病な自分に。




そしてひとつだけ誓ったら、
少しだけ前を向いて新しい今日を迎えるんだ。



だからこれは、俺だけの


弱音禁止令






end


たまには泣いても良いと思うけど、臆病な自分は怖いのです。
泣いたら戻れなくなりそうで怖いのです。









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