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幸村に憧れる赤也ver. 太陽と花


静かな風が、ぴたりと止まる。
それはまるで彼の一連の動作に合わせたみたいで。
そよいでいた風に靡いていた髪が収まれば、僅かに表情を和らげて、彼は屈んで愛でていた一輪の花にそっと触れた。



一枚の絵画のようだった。
周りの風景も空気も匂いも熱も、そこだけ切り取られ、彼のために存在していた。
きれいだと、人を見て心底から感じたのは初めてだった。











幼いやり方しか知らない自分は、彼に笑って欲しくて、その花を手折った。
無惨にも根本から乱雑に千切られた花は、今はまだ綺麗だった。
しかし、地に生えていた時と比べればその美しさはほんの一瞬だと、彼は知っている。
差し出されたその花に、彼は少し悲しい色を湛えた笑みを浮かべた。


「ありがとう」


花はすぐに散ってしまうだろう。
彼は自分の行動が花にどういう影響を与えたか、それほど考えてはいない。
ただ、花が好きな自分にあげたら喜ぶだろうと、至極シンプルな思考。
まっすぐで純粋な、子供故の残酷さを孕む思慕。
その気持ちが余りにも愛おしく、また自らの喪失に気付き、切なく胸が締め付けるのを感じた。
ただ、眩しかった。
疎ましいくらいの眩しさ。
今の自分は瞼を焼かれてしまって、とても長くは見つめていられない。
しかしそんな眩しさを放っていた時が自分にもあったのだ。
今はただ、目を焼かれてなお焦がれるしかない愛おしいそれ。
水分を奪われながら太陽を追いかける花。
太陽がもし花になったら、その花は自分であった太陽をまっすぐ見つめられるだろうか。



どうしようもなく、胸が苦しかった。
受け取った花は暖かな太陽の香りがして、一人になって少し、泣いた。







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