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ジロ忍ver. 中毒。


ざらざらざら
がりがり、がり

ざらざら
がり、ぽり

ざらざらざら
かり、





眠そうな顔が、つまらなさそうに無表情に瞬きを繰り返す。
そうして一切の表情を変えずに、ほとんど機械的に、手と口を動かしている。
「見てるこっちが胃凭れしそうやわ…」
暑い夏に差し掛かり、薄手の布団に切り替えたばかりのベッドの上。
まだだるい体を上半身だけ少しあげて、柔らかなマットレスに頬杖をつく。
床に座り込みベッドに凭れ掛かる相手が、先程から露ほどの乱れもなくカラフルなマーブルチョコを口に運ぶのを、忍足は苦笑しながら見つめる。
よくもまぁ、これだけ接種して太らないものだ。
数分前は少しの空腹を覚えていたはずが、今ではどうでもよくなってしまった。

「だって甘いものが無いと死んじゃう」

大まじめな顔でチョコを口に運びながらまだ少年らしい甘さの残る柔らかな声音が零れる。
砂糖菓子のような外見をしている相手を横目でぼんやり眺めながらやれやれと肩を竦め。
と、乱れの無かった音が途中でぴたりと止んだ。

「あ」
「…切れちゃった」

お菓子の詰まっていた細い紙筒は、空っぽ。
子供のように逆さにして、下から覗いてみても見えるのは白い底だけ。
むぅ、と残念そうに不満の声を上げた相手は用済みの紙筒をもう何の未練も無く床に放り投げ。
何かに浮かされたように振り向き、手を取る。



「食べて、良い?」



スイートジャンキーの彼は乾きを満たすために、何故かいつも忍足を求めた。
自分の方がよほどかじったら甘いのではないかと思うが、何故だかなんの変哲もない自分が、彼にとってはご馳走らしい。
慣れているため少し、瞳を眇めただけで、そのまま抵抗する気もなく受け入れる。
彼の衝動は食欲か、それとも恋か。
受け入れる理由は庇護欲か、それとも愛か。
触れる唇は柔らかく、求める舌からは恐らく本来のチョコレートよりも、ずっと甘い味がした。









出来ることなら相手になって、一度自分の味見をしたい。
暖かな体を抱き寄せながら、忍足はぼんやりと思った。






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